日々是暴食★トラウマめし【第41食】出雲そばと島根発祥の日本酒と
コロナ禍真っ最中の旅行はいま考えれば人も少ないし、ホテルも航空券も安いし、なかなか条件がよかった。外国人旅行者が爆増した今だとああはいかなかったはず。ということで初めて島根に行った話。
島根って世田谷区より人口少ないのに錦織圭やヒゲダン(島根大出身)などスターを輩出するあたり、やはり神がかってる、普通の土地じゃないのかもしれない。山陰のイメージって勝手にジメジメと暗いとこだと思ってた(今は言っちゃいけない裏日本というやつ)けど、めちゃくちゃいいことだった。
山陰本線で松江から出雲へ向かう途中、陽の光が宍道湖に当たりキラキラと光り気持ちがいい。季節もよかった。冬ならまた違うだろう。
出雲市駅からバスに乗り出雲大社へ参拝しに行った。巨大。とにかく規模がでかい。縁結びの聖地であり、当然お祈りしたが結果嫁は見つからなかった。残念、私の信心深さが足りなかったようだ。
10月に全国から八百万の神がやってくるという稲佐の浜まで歩いてみた。海もキラキラしている。道の途中、神様が寄り道する丘だとか、通り道だとか、色々と見どころがあって楽しい。タクシーやレンタカーではもったいない。神様と同じ気分で歩いてみるのをオススメする。
参道に戻り出雲そばを食べてみた。香りがとにかくいい。ぺろっといただける。岩手民としては、わんこそばににビジュアルが似ているためおかわりしたくなるが、グッとこらえて店を出る。
近くのカフェで出雲ぜんざいを食べてみた。くどくなく、あっさりとした甘みがあり疲れがとれる。出雲はぜんざい発祥の地らしい。考えついた人はノーベル賞ものだ。
松江に戻る。
松江はとことん文化的な街だ。モダニズム建築の宝庫とも呼ばれ、菊竹清訓好きの私はヨダレが出る街だ。島根県庁第三分庁舎、島根県立武道館、 島根県立美術館を見て回る。菊竹の昔のコンクリを用いた作品は劣化が激しいのと、攻めすぎたデザインが仇となり取り壊しが続いている。代表作だった出雲大社庁の舎もすでに解体済みでこれは残念だった。
島根県立美術館のエレガンスさと言ったらどうですか、あーた。特徴的な屋根と宍道湖の水面と夕日との調和が特に素晴らしいそうだが、その時間には腹が減ったので居酒屋へ繰り出しておった。
さて、メシである。島根出身の友だちで今は銀座の高級割烹で働いていいる3コ上のお姉様に、事前に名物料理は聞いていた。
◎鯛めし
皆美館のランチでいただく。とにかく出汁だ、出汁がやばい。物足りないくいのあっさりとした鯛のそぼろに、出汁をかけると旨味が何十倍にもなるのだ。これが日本料理の恐ろしさよ、士郎お前にこの味が理解できるか!(海原雄山風に)
◎赤てん
元々は浜田の名物とのこと。練り物を赤く色付けしピリ辛にしたという渋い名物だが、これは酒に合う。お土産購入必至。
◎日本酒
なんでも日本酒も島根発祥らしい。その根拠は「古事記」の出雲神話でスサノオノミコトがヤマタノオロチを酒に酔わせて退治したから…と神話を持ち出されたら敵わない。友達いわく王祿(おうろく)は飲んどけとのことだったので、もちろんいただく。最近流行りの甘いフルーティ系じゃなくてしっかりと酒感を感じるやつだった。これは酔う。地酒は多種多様だし、ワインも有名なのだとか。酔いすぎちゃうわ。
島根は2泊では足りない魅力だらけなとこだった。自社仏閣と建築めぐりで色っぽい場所の調査はしていないが、松江の歓楽街も面白そうだった。今度また行ってみよう。最後にカニの駅弁を買って空港へ向かった、山陰バンザイ!
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