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『Sweet×2 Tea Party 』制作秘話

親愛なる紳士淑女の皆様へ
スイートでプリティなティーパーティーにご招待致します。
ミスタースイートより

 突然ですが、たった今あなたに招待状が届きました。
ミスタースイートから甘い甘いお茶会へのご招待。

場所はVket2022Winterのとある部屋の
『木漏れ日のガゼボ』からつながる不思議な世界。

あなたがお菓子と花の甘い香りに包まれる前に
少しだけここでお話を。


どうもこんにちは。ちゃりおです。

 突然ファンシーな出だしでびっくりしたフォロワーの皆様もいるかも知れませんが、安心して下さい。いつも通りのちゃりおです。

 今日は12/3~12/18の間に開催している、バーチャルマーケット2022Winterで制作進行を担当した『Sweet×2 Tea Party』の記事を書いてみます。


『Sweet×2 Tea Party』ってなーに?

 まずはバーチャルマーケットとSweet×2 Tea Partyについて。

 バーチャルマーケット(以下Vket)とは、VR空間上で企業やクリエイターが出展するVR上の一大イベントのことです。ざっくりと言ってしまうと、『VRコミケ』だと思っていただければわかりやすいかと思います。

 そして、Sweet×2 Tea Partyとは複数あるVketの出展用会場の一つで、企業ではなく一般のクリエイター向けに作られた世界です。
 お菓子と花に彩られた優しい色と造形が特徴の、今回のVketで最もかわいいワールド(※私見)です。

 この記事ではSweet×2 Tea Partyの制作の思い出をクリエイターの皆さんと一緒に残し、そしてみなさまを『お茶会』に招待したいと思います。

Sweet×2 Tea Partyが生まれるまで

 Sweetx2 Tea Partyの制作は、実はスタート直後からすでに困難に直面していました。というのも、制作体制もクリエイティブ自体も、ある程度進んだ状態から白紙に戻し、ほとんど総とっかえとしたからです。

 私が前任者から引き継いだ頃には、すでにワールド全体のラフデザインが決まっていたものの、プロジェクトの全員が「これだ!」と思うほどしっくりと来ていないという状態でした。

変更前の初期案。
よりポップな色合いと雰囲気で、ワールド内の高低差が大きい設計だった。

 そういった状態で迎えた最初の会議で、ラフデザインのモデルを引き継いだ3Dモデラーのちまきさんから『デザイン段階からやり直させてくれないか』と提案して頂いて、その案に乗ることで、ようやっと今のコンセプトに落ち着いたのです。

再デザイン直後のラフデザイン。
この案をベースに更に変更を加えていった。

 正直なところ、時間に余裕のない状況で工程を巻き戻す判断はあまりにもリスキーでしたが、納得をしないまま作業を進めて士気を下げることも、また大きなリスクです。そんな中、作業を巻き戻すと作業期間が短くなることを承知で提案をして下さったちまきさんの覚悟に私も感化され、社内メンバーの不安そうな眼差しを受けながらも、再デザインの道を選びました。
 結果論ではありますが、この判断がなければSweetx2 Tea Partyの成功はなかったと断言できます。

開催中のSweetx2 Tea Party
『落ち着いたかわいさ』を求め、色彩やモチーフを再検討し
お菓子と花の世界として再構成した。

 コンセプトが定まってからは、ちまきさんのご紹介でテルキさん、dokkoiさん、corelessさんの3人をサブモデラーとしてチームにお迎えし、HIKKY社内のイラストレーターであるkeburiさんも合流し、社内の各種クリエイティブチームと協力しながら、デザインと並行して3Dモデリングを行う形で、急ピッチで制作が進められました。

Sweetx2 Tea Partyではお菓子が食べ放題。
実は各所のワゴンに乗っているお菓子は、エリアごとに異なっている。

 制作が本格化してからは、時間とクオリティとのせめぎ合いが始まります。しかし、再デザイン作業を乗り越える過程でチームは結束し、信頼関係をベースにどんどん意見を出し合い、素早く最適解を見つけることができるようになっていました。
 その結果、締切に追われながらも不思議と失敗する気が全くしない、なんとも珍しい進行で、無事にパーティーを開くことができました。

 これは一重にちまきさん、テルキさん、dokkoiさん、corelessさんのお力によるものだったと思います。


モデリングチームのメッセージ

ちまき(メインモデラー)

 制作期間が短い中で、ある程度流れやブース配置等が作られていた状態から引き継ぐかたちで担当になったのですが、
「全体のデザイン、ブースの配置や動線から新規で作らせてほしい!」
とお願いして、心配されながら制作に入ったというスタートでした。

関係者の皆様にはご迷惑、ご心配ををおかけしたと思います。すみませんでした><
 それでも信じて進捗を待っていただけたことや、デザインをほとんど自由にさせていただいたおかげで、過密なスケジュールでも実は作業は結構楽しくやっていました。

最初の部屋と木漏れ日のガゼボ

 思い入れのあるエリアはまず、最初の部屋と木漏れ日のガゼボです。
 実は一番最初に描いたデザイン案のラフで、すでに入り口のアイデアを決めていました。

他のエリアはほとんど変更が加えられたが
入り口のイメージは極初期から変わっていない。

 「自分が作る3Dモデルはアニメ調なので絵のように見えるから、額縁から入るようにしたら面白いのでは?」というイメージが先にあり、最初の部屋はリアル調にすることで現実から異世界へ飛び込む体験をしてもらえたらと思い、今の形をとりました。

最初の部屋
木漏れ日のガゼボ

 ガゼボの周りは私が、入り口の部屋の細かなデザインなどはkeburiさんに考えてもらい、モデリングはリアル調が得意なcorelessさんに全面的にお願いしました。

 その際のkeburiさんのアートで、入り口になる額縁にスポットライトが当てられていた部分がとても良く、暗い部屋から明るいガゼボへ出る体験をよりダイナミックに演出してくれたと思います。

『最初の部屋』のコンセプトアート。
額縁の絵に初期案の名残がある。

 最終的には効果音や音楽、パーティクル、ロゴも加わり、入り口のエリアは自分が想像した以上の素晴らしい演出になりました。色々な優秀な人たちの技術が合わさるとこんなに凄いものができてしまうのですね。

 ガゼボは100%私がデザインと制作をしたこだわりの場所で、開催数日前のぎりぎりまで手を入れていました。アニメ調の木漏れ日や水の表現、花の飾りなど今回やりたかったことをぎゅっと詰め込んだ場所になっています。

コンセプトアート『木漏れ日のガゼボ』
まずはイラストとして完成させ、その過程で熟成させたアイディアを
一気にモデルに反映するスタイルで、ワールド全体を完成させた。


アイシングクッキーの街とチョコの森

 アイシングクッキーの街とチョコの森は、デザインラフ、テクスチャのイメージなどを私が描いて、ほとんどdokkoiさんに作ってもらいました。
 dokkoiさんが追加のデザインや配置の調整をしてくれたので、この2エリアの完成が早めに見えて、だいぶ気持ちが楽になりました。

コンセプトアート『アイシングクッキーの街』
コンセプトアート『チョコの森』

 あと、これは内部でも指摘があったのですが、チョコフォンデュできることが分かりにくくてごめんなさい!w
対策をしなかった自分が悪いのですが、ただの串刺しフルーツ盛りじゃないのよ!フォンデュしていって~!w

実はチョコフォンデュができてしまうのだ!


スイート邸

 それからラストのスイート邸。
ここはほぼ、テルキさんとのコラボ作品です。
大まかな建物のデザインとアーチや植木、奥の桜は私が作り、建物部分のほとんどはテルキさんに仕上げてもらいました。

ミスタースイート邸

 「下から見た時に花みたいに見えるようにしてほしい~」と伝えただけでステキな装飾がつき、奥の部屋も良い感じに改造してくれ、草木の色合いに合ったテクスチャを入れてくれて、思った以上にステキな場所になりとても満足しています!

初めてのVketコンセプトワールド制作で色々とモヤモヤは残るにせよ・・・

なんとか形になってちゃんと開催されたーーー!!
ウチらはやったぞーー!ウオーーー!

今はそんな気持ちですw

 今回は、普段から一緒に通話作業をしている仲間にサブモデラーとして入ってもらいました。
皆、真面目で仕事ができる良い仲間だと改めて思います!
それから細やかな気遣いと、私の無理を受け入れてスケジュール等の管理もしてサポートしてくれたちゃりおさんにはとてもとても感謝しています!

 正直キツかったですが、なぜか終わってみると「もっといろいろ作りたい」という気持ちの方が強く、凄く良い刺激になった気がしています。
そして開催中の皆さんの反応やツイートなどにとても癒されています!

貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました!



テルキ(サブモデラー)

 Sweet×2 Tea Partyのサブモデラーとしてお手伝いをさせて頂きました荒ぶるキウイことテルキです!

 今回はワールドの各所に設置されているお菓子や建物などの一部を制作し、そして、本ワールドの住人である「ミスタースイート」や「ポンポン」のキャラクターモデリングを担当しておりました!

ヒゲをはやした『ミスタースイート』とかわいらしい『ポンポン』一行。
ポンポンの中にはどこかで見たことのある様な姿もあるが…?


ミスタースイート邸

 特に、お菓子類は美味しさと可愛らしさを意識し、キャラクター作りではコンセプトアートに忠実でありつつも、多少のお遊びを入れてみたり(グルメおじさん風のキャラクターを勝手に作ったり・・・)と、かなり自由に制作していたので楽しかったですね!

非常に忠実に再現されたミスタースイートの3Dモデル。
ワールド内にはこんなエリアも。
来場した際にはポンポンたちの動きに注目すると、いろいろなストーリーが見えてくる。



dokkoi(サブモデラー)

 Sweet×2 Tea Partyのクッキーエリア・チョコレートの森・お茶会の島を担当しましたdokkoiです!

 今回、ブースが展示されるエリアではシンプルで簡潔に、逆にほかのエリアでは情報量多めを意識して作りました。

 クッキーエリアは城下町っぽく、周りを囲んでる塀もお城感強めの形にしています。

アイシングクッキーの街
出展ブースに意識を向けるために
情報量の引き算も意識してデザインされている。

 チョコレートの森とお茶会の島は大量にキャラクターを配置!!とにかく賑やかし要素強めに作りました。

チョコレートの森
チョコの森では
ゆる~い顔つきのどうぶつたちが出迎えてくれる。

 動物たちやキャラクターがとても個性強くできているので、カフェっぽくまとめたり、生活感のある森にしたりと楽しく作らせていただきました。

お茶会の島
ポンポンたちがお茶会を楽しんでいる

来場された方々は楽しんでいただけたでしょうか?
少しでもワクワクしていただけたのならとても嬉しいです。



coreless(サブモデラー)

プロップモデラーのcorelessです。
 今回の"Sweet×2 Tea Party"ではスタート地点の部屋のモデリングを主に担当させていただきました。

最初の部屋

 スタート地点はリアル調の空間からイラストの世界に入っていくというコンセプトでしたので、その対比が際立つようにリアルなディテールや質感を意識して作成しました。

『最初の部屋』はリアル調でありながらも
額縁の先の世界とも調和するバランスで作られている

 結果として、ライティングの明暗差や入場時のパーティクル演出も相まって印象に残る入り口にできたのではないかなと思います。

ティーセットもcoreless氏が担当した。
ワールド内に大量に置かれるアイテムであるためポリゴン数を抑える必要があったが
小気味よい造形でセンスよく仕上がっている。

 来場された方の最初に目に触れる部分ということで、緊張もありましたがとても良い経験になりました。
この度はありがとうございました!



2022/12/08 『最初の部屋』にて


さいごに

 Sweetx2 Tea Partyの制作秘話はいかがでしたか?
私たちの用意したお茶会に、少しでも興味を持って頂けたなら幸いです。

 Sweetx2 Tea Partyにはこの記事に書ききれていない”秘密の仕掛け”が隠されていたり、ワールドにブース出展してくださっている参加者の皆様のコンテンツなど、まだまだ楽しみが盛りだくさんです。
 ご興味を持ってくださった方は、ぜひ一度いらしてみて下さい!!

...…と書くと、『どうやって行けばいいのか分からない』と思う方は沢山いらっしゃると思います。


そんなあなたにおすすめなのは、こちらの記事です↓
【来場方法】バーチャルマーケットに行く3つの方法を解説!

 
Sweetx2 Tea Partyは上記の記事の『PCでVRChatから入る』の手順を踏んだあとに、VRChatを起動してEscボタンを押すと現れるWorldタブから選択すると入場できます。

 これであなたもお茶会に参加できます!

では皆さん、スイート邸で会いましょう!
またね!

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