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ドクカン 「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」


まず、読み進める前に”ドクカン”について以下3点お気を付けください。

① 単純にその本の読書感想文+@的なものです。
② もしかしたら+@がメインです。というか「メイン」です。
③ ネタバレ要素満載です。ただ、詳しく書きません。

ドクカン 「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」
著者:若林正恭 出版:文集文庫

以上の3点お気を付けください。


このコロナが蔓延している状況だからこそ僕は旅行したい欲がグツグツと沸く。シドニー留学から戻ってきた時は
「もう当分海外は行かなくていいや」
なんて思っていたけどその2か月後にはグアムに行ってハンバーガー巡りをしている。僕には意志というものがあまりないのかもしれない、とここ最近強く思うようになってきた。それだけ人の影響を受けやすい人間なのだろう。
このことを良い言い方をすれば”フットワークが軽い人間”なのかもしれい。でも僕はきっと違う。
僕は”尻の軽い人間”なのだ。
“尻軽人間”こと僕はこの本を読み強く思った。
「キューバに行きたい!」
「タバコ吸えないけど、葉巻を咥え渋い顔をしたい!」
「お酒弱いけど本場のモヒートを呑みたい!」
どうだ諸君、“尻軽人間”のセリフは。いささか滑稽だろう。
しかしこの思いは半ば本気である。この思いが生まれたキッカケはきっと僕はまだこの本のどこかに心を落としているのかもしれない。あるいは、まだ、ある種の”賢者モード”なのだろう。
ただ、この本は心を落とすような、賢者モードになるような素敵な本だった。面白いだけでなく凄くシリアスなのもまた魅力。若き日の若林さんが抱いた感情と今のポジションにまで昇りつめた若林さんの感情がぶつかり合う姿。
それはアイスランドのストロック間欠泉のようなドーン!と轟音を立てるような感情に似ていて、でもモンゴルに広がる雄大な地平線のようにも似ている。
非常に大胆で繊細。素敵な感情、思考、人間性を持っているけど捻くれてる。そこを隠そうとしない若林さんが見せる”弱さ”に我々は見惚れる。
きっとこの方は正しい”人の弱さの魅せ方”を知っていることでしょう。

あゝキューバに行きたい
タバコ吸えないけど、葉巻を咥え渋い顔をしたい
お酒弱いけど本場のモヒートを呑みたい

僕の旅行欲がまたグツグツと沸いてきた。

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