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初めてのマラソンを走るまで

知っているつもりで何もしらない。

何の気無しに見ていた2005年ヘルシンキ世界陸上の男子マラソン。日本からは尾方選手(元野球部)が力走し銀メダルを獲った。尾方選手は素晴らしかったけど、僕に強く印象づけたのはイスラエルの選手だった。名前も記録も覚えていないが、年齢が50歳だったということ。
50歳でマラソンって走っていいのか!?
いくらイスラエルという国の規模としては決して大きくはない、つまりエリートアスリートはそれほど多くいるとは想像できない国であったとしても。
50歳でお国の代表として。そもそも50歳でマラソン走っていいのかよ!健康に悪いのではないかということ。(※参考情報:2023年ブダペストの世界陸上男子マラソンではイスラエル代表は2位!)
ただ、そのときにメラメラと湧いてくる感情を抑えることができなかった。当時の自分は47歳であった。数年の弛緩した生活から身体はだるんだるんになってしまっていた。醜い腹。6月からジム通いを開始したが、大学時代に痛めた膝のことが気になり、ランニングが怖くてできない。でも、そもそもジム通いを続けるモチベーションが希薄だったのだ。

マラソン、いいかも!
目標はそこそこ高い方がいい。高すぎてもダメだけど。現にイスラエルの国の代表が50歳で走っているではないか。
何歳になろうが、マラソンは走って良いのである!
マラソンが健康に悪いのではない。
良し!マラソン上等。
42.195kmなんてまったくイメージ出来ないけど。

そうしてまずはベルトの上を10km歩けるようになり。20km歩けるようになり。徐々に恐る恐る走ってみて。20km以上走れるようになって。よし大会に出てみようと。
最初の大会は絶対に海外マラソン。でも、ホノルル・マラソンを最初にはしたくない。どこかないかなと探してアイルランドのダブリンで10月末に『adidas Dublin Marathon』があることを知り、そしてダブリンへはマンチェスターからLCCのライアン・エアーで格安で行けることがわかった。
11月にはイングランドのニューカッスルで『WOMEX』というワールドミュージックの見本市のようなものが開催される。これをメインに10月末から11月にイギリス出張を無理やり作ったのだった。ロンドン~リバプール~マンチェスター~ダブリン~マンチェスター~ニューカッスルと。
この決断は我ながら最高のものだった。
何事も最初と最後はめちゃくちゃ大事である。
そうして記念すべき初マラソンは、ダブリンマラソンになった。ダブリンマラソンの素晴らしさがあったから今も走っている。

初マラソン adidas DUBLIN MARATHON 2005

若くてぷよんとしている。何故イングランドのシャツ?

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