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【札幌駅前で健康づくり×まちづくり】人体改造カラダコラム vol.50

人体改造カブ式会社とは、札幌駅前通地区全体の健康=エリアヘルスマネジメントに取り組むプロジェクトです。50回目のコラム執筆者はシャインの三田智さんです。


「聞香に古の知恵を学ぶ」

秋分も過ぎて朝晩すっかり涼しくなりました。木々の緑も少しずつ色を失い始め、季節は着実に冬に向かっていることを感じさせます。

さて今回は人間の持つ「五感(視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚)」のお話です。

スマートフォンを携帯する事が当たり前となった現代では、毎日大量の情報が飛び込んできます。
真実を伝えるものもあれば、根拠の無いフェイクニュースなど、本当に必要な情報なのか、取捨選択を迫られる毎日は流石に疲れてしまいます。研究によると人間が得る情報の9割近くは「視覚」に頼ったものがほとんどだとか。

そこで今回は五感を見つめ直す方法として、「聞香(もんこう)」をご紹介したいと思います。
聞香とはその名の通り「香りを聞く」こと。鼻だけではなく、五感すべてを使い脳で感じる、という表現の方が分かり易いかもしれません。
 
超音波でミスト状になった香水を部屋に漂わせてアロマ効果を得るそれとは異なり、聞香は静かな空気の中で繊細な香木の香りを鑑賞するものです。
 
歴史によると飛鳥時代に仏教と共に「香」が日本へ伝来し、平安時代には「薫物」や「移香」が貴族の間で楽しまれ、やがて鎌倉・室町時代に「聞香」として確立します。江戸時代になり、ようやく「香道」という形に引き継がれるのですが、実に長い歴史ですね。
 
先ずは香木(主に用いられるのは東南アジアの樹木)から数ミリ四方の木片を削り出し、それを
香炉灰に乗せられた銀葉(雲母で出来た薄い板)の上に置き、香炉灰下から炭団(たどん)と
呼ばれる小さな炭火で熱を与え、うっすらと立ち上がって来る香りを楽しみます。
この香りも常に同じではなく、その日の気温・湿度・天候や風の流れ、そして体験者の体調に
よっても感じ方が変わるのだとか。何と奥の深いことでしょう。
 
香木のひとつに「鴫立沢(しぎたつさわ)」と名付けられたものがあるのですが、これは平安末期から鎌倉初期を生きた西行法師が詠んだ「こころなき身にもあはれは知らりけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ」という歌の文字から取られたもの。

香という文化を通し、約900年という時を超えて伝わってくる日本人の感性とその息使い。たまには秋の夜長にお香を焚いて、古の人々の暮らしに想いを馳せるのも良いかもしれません。
もちろんその時はスマートフォンの電源も落として。

(※今回記事を書くにあたり、聞香をご指導いただいた和日咲美研究会 丸田先生に感謝申し上げます。)

シャイン 三田智

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