【札幌駅前で健康づくり×まちづくり】人体改造カラダコラムvol.47
人体改造カブ式会社とは、札幌駅前通地区全体の健康=エリアヘルスマネジメントに取り組むプロジェクトです。47回目のコラム執筆者はシャチョーの照井レナさんです。
「健築®」とひきこもり
「健築®」という言葉を耳にした。竹中工務店の登録商標で、知らず知らず健康になる行動が増える、生活に密着した健康行動促進コンテンツということである。このことと、キャリア支援専門職をしている妹から聞いた、ひきこもり状態にある高校生とが私の頭の中で結びついてしまった。
私が訪問看護師の時分に、肺の病いによって呼吸苦のある患者さんから、楽な呼吸が暮らしの中の一番の楽しみになるということを教わった。楽な呼吸とは、“意識しないでできる呼吸”のことである。
同様、生きづらさを抱え、家にひきこもり、苦しい思いをしているなら、その高校生にとって、意識しないでできる外出や交流は、どれほど楽な暮らしとなり、どれほど人生の楽しみになるであろうと、思いをいたしたのである。まちや建物、環境がそうであってくれたなら、と。
内閣府(2023)の推計によると、引きこもり状態にある人は、15~39歳で2.05%、40~64歳で2.02%おり、全国で約146万人と言われている1)。この数は、政令指定都市、京都市の人口に匹敵し、50人に1人いるメジャーな状態である。彼らは、作業系の仕事をやってもらうと、早く、きっちりやる性格の人が多いとも言われている。
この特徴を汲んでのことであろう。南富士という会社が、『ニート・ひきこもり仕事チャレンジ』2)と銘打って、ひきこもりだった若者を屋根職人に育てあげている。同じような境遇にある仲間とチームになり、継続することによって、社会人として、社員として成長し、仕事の成果を上げ、各人の自立へと繋がっていくことをねらった“人財”育て。
「黙々と作業できるし、自分に合っている」と応える当事者。「健築®作業中」の彼らは生き生きとして写っている。
シャチョー 照井レナ
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