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ソーシャルメディアと自信の関係性

最近ソーシャルメディア(以下:SNS)の影響が話題となっている。人をつなげる革命的だったツールが今ではセキュリティや精神的観点からバッシングを浴びている(TikTok禁止令など)。今回は特にSNSが人の自信に及ぼす影響についてフロントエンドとバックエンドの二つの面から注目していきたい。

1. 二極化されやすいプラットフォーム

生存者バイアス(survivorship bias)をご存知だろうか。簡単に説明すると成功例だけから結論を出し、失敗例の観察を取り組み忘れることだ。SNSではよく見かける。例えばあなたのフィードには仮想通貨で億万長者になった投稿をよく見かけるかもしれない。生存者バイアスに引っかかってしまうと「仮想通貨は儲かる」という結論に至ることになる(実際、ほとんどは少し儲かったか・損したかで極端な結果ではないと感じる)。また、損した人は利益を得た人よりもSNSに投稿する確率が低いだろう。よって、成功例しか見てないユーザーは自分の能力を過信して自信が高まる(みんなできるなら私も出来るだろう思考)。

生存者バイアス(例):飛行機の弱点は穴が空いてないところである。なぜならそこに穴が空いた飛行機は帰ってきてないから(墜落した)。

同じくSNSでは普段見かけないであろう美男美女で溢れているように感じる。そんな人達を毎日見ると、自分と比較し、自信の低下に繋がることもある(みんな綺麗なのに、私は違う思考)。SNSがない時代では実際に接点のある人が主な比較対象だったので、平均自信度は昔の方が高かったのかもしれない。逆に考えると、他人の評価から承認欲求が満たされ、自分の容姿の良さを信じることにつながれば、自信は増すだろう。

そもそも内容が真実だとは限らない

写真一枚や動画一本で真偽を見極めるのは難しい。写真は加工されているかもしれないし、動画はヤラセかもしれない。SNSだけではない話だが、普通よりも極端なストーリーの方が話題性がある。主に広告収入ベースのSNSでは話題性(高エンゲージメント)を優先するのは自然であり、情報の選別化による自分の自信への影響を見抜くことは大切であって気をつけるべきである。

2. アルゴリズムは気分屋で中毒性がある

今まで何(what)が自信を影響するのか議論してきた。次はどうのように(how)SNSが自信のレベルに繋がるのか説明していきたい。結論を言うと、SNSの利用によって自信が高まるか低まるかはかなりランダムである。

あなたのフィードに流れてくる内容は過去のデータをもとにAIが選別している。猫の動画をいいねしたら猫動画が増えたりするが、AIが「猫の動画をいいねしたユーザはケーキ紹介動画もいいねしている」と習ったらいきなりケーキの動画がおすすめされるかもしれない。ちなみにこれは協調フィルタリング(collaborative filtering)と呼ばれている。また、AIの選別基準はブラックボックス化されている。つまりコンテンツがおすすめされた理由は的確に理解できないということだ(ただの数字のパターン)。利用者視点からすると自信が上がる投稿をリコメンドされる時期もあれば自信が下がるコンテンツの中彷徨う時期もあるだろう。

常にアルゴリズムは進化していて、あなたの注目を保つようにアップデートされている。これは中毒性を意味している。なので、己の自信がSNSの利用によって大きく左右されることは精神的不安定さの要因でありリスクであることになる。

最後に

内容をまとめると、SNSのコンテンツは選別されていることから自信の向上や低下に繋がり、自信をどう影響するかはアルゴリズム次第である(思考整理してみたら当たり前の結論でした、、、)。

少し話がズレるが、記事を読み終えた読者は、かなり筆者のバイアスがかかっていることにお気づきだろう。個人的に私は(利用しているが)SNS反対派である。全否定しているわけではない。「モノを売る」マーケティングの立場からすると非常に優秀なツールだ。ただ受動的消費することには危機感を感じている。なぜなら個人的経験から自己肯定感や集中力の低下に繋がったと感じたからだ。いつか失った自信をどう取り戻したか語りたいと思う。

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