見出し画像

ASDなりに努力できそうなこと

発達障害という診断名が浸透してきて、発達障害の人への理解や配慮の仕方も少しづつ発信されてきてはいますが、私はいまだに疎外感のようなものを感じているのが本音です。

と言うのは、「定型発達」と称されるということは「普通」ということなので、定型発達の人たちのコミュニケーションに合わせる必要が今の時代はまだ必要であると、自分の中では解釈しているからです。

そして、逆に定型発達の人にとっては、「共感性」「気遣い」などを含めたコミュニケーションを大切にする特性を変えることが難しいのもあります。

そんな中で、上手にコミュニケーションが取れれば良いなって思っていたので、私が心がけていることをいくつか紹介します。

・周りの人たちの会話を聞いて学ぶ

私たちは脳の特性上、「言われたことをそのまま受け取る」「返答を考える(言葉をオブラートに包む)までに時間がかかる」「会話に結果を求める」ため、イエスノーの返答だけになってしまったり、テンポ良く会話しなきゃいけないと焦って思ったままに即答してしまったりと、物心ついた頃から会話には苦労してきました。
そこで私が意識して継続していることは、実際の人たちやテレビや動画配信などで「この人たちは円滑にコミュニケーションをしている」と思ったら、その会話にじっと耳を傾けて、会話の内容や受け答え方を頭の中にインプットする習慣です。
そして、実際の会話に取り入れてみるのですが、慣れないうちは、インプットしたものをそのまま自分の会話のテンプレにして、実践していけば良いと思います。
年単位の時間はかかりますが、徐々にその意味が分かってきて、自分のものになっていくのです。

・発言する前に一呼吸おく癖をつける

例えば、周りが子育ての話をしているとします。
しかし、私は結婚もしていなければ子育て経験もなく、実を言うと子どもが大の苦手です。
ここで、私の頭の中には「好きで子どもがいないわけではない」「子育てについてはわからない」「そもそも子どもが大の苦手」などという返答ばかりがぱっと浮かんでくるのですが、これを言ってしまったら場がしらけてしまうのは、なんとなくわかっています。
なので、場をしらけさせないためにも、自分が発言する前に一呼吸おくことを意識しています。
そうすると、オブラートに包んだ言葉や労いの言葉が思いついたり、どうしても自分の意見を曲げることができなければ発言をとどめて聞き手に回るなど、不器用ながらではありますが、できるだけ和やかな場になるように意識をすることに繋がっていると感じています。

・相手に寛容になる

自分ルールへのこだわりが強い私たちは、「社会のルールを守る」ことにも固執してしまいます。
さらに、ASDの人は、物事の悪いところに目が行きがちで、悪い思い出や納得がいかなかったことが、突然フラッシュバックすることが多い傾向にあります。
しかし、実際問題、社会のルールを一から十まできっちり守る人なんていないに等しいので、「ルールを守らないのに許されているのはどうして?」と理不尽な気持ちになって、どんどん相手に対してマイナスのイメージをもってしまいがちになります。
そんな時は、「自分は相手にどのようにみられて、その上で相手は自分にどのように接してくれてるか」という風に、相手目線に立って考えてみると良いと思います。
ASDの特性上、「変わっている」「扱いにくい」と思われているにしても、中には優しく接してくれる人もいるのではないでしょうか。
そういう人たちにスポットを当てることが大事で、そこから「自分は相手から受け止めてもらえているんだ」と、相手の寛容さに気付くのです。
その気付きから、私は、「自分も相手に寛容になろう」と意識をするようになりました。
それからというもの、人に対して緊張感が薄れて、気が楽に過ごせることが少しづつ増えてきています。

・プラス思考で相手に接する

これは発達障害を持つ持たないは関係なく、自分の周りに人が寄ってきてくれる条件だと思います。
私だって、マイナス思考の人の話は重くて、一緒にいるとしんどいと感じます。
逆に、プラス思考の人と一緒にいると、エネルギー消費が少なくて、安心感をもって自分も明るい気持ちになれることが多いと感じます。
このように、他者を客観的に見る癖をつけることで、自分のふるまい方を考えるきっかけになりました。


こうやって書いてて思ったのが、「相手の立場になって考える」ことなんですね・・・。
今までは、「自己主張をしない」「静かにする」「まじめに行動する」ことで、相手の立場に立ったつもりでいたのですが、あくまでもそうではないんですね・・・。
私自身、ここまで行きつくのにかなり時間はかかったし、まだまだ改善点はたくさんあると、自分では思っています。
発達障害を持っていると、自分の考えでいっぱいいっぱいになって、相手目線に立って考えることはかなり難易度は高いですが、その時は無理でも、自分の言動を後で振り返った時に、次から活かせるように、少しづつ考えていけると良いですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?