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ASD特性の長所

ASDの特性は実際に困難が多く伴います。
ここでは、それでも頑張れる特性の良いところをまとめてみました。

・与えられた仕事を最後までやり遂げる

ASDの人は、「言われたとおりにそのまま行動して目的を果たす」「一つのことに過集中する」という特性を持っています。
普通の人からすれば、確かに柔軟性に欠けていると思われがちなのですが、その分ASDの人は、いくら大変でも投げ出さずに目的を果たそうとする気持ちや実績が大きいです。
私自身も、何かをしている時に話しかけられたりイレギュラー対応が入るとすごくストレスに感じるし、コミュニケーション連携や上司を立てるといったことは本当に苦手で、上司からはマルチタスク面やコミュニケーション面をもっと改善するように何度も指摘を受けてきました。
一方で、どんなに大変な仕事でも必ず期限前に提出したり、言われたことを忘れずに覚えていたり、上司の指示通りきちんと行動したりと、仕事に対するまじめさに関しては、実際に評価してもらえました。
平常点は取りやすい特性ではあると思います。

・興味のあることに対しては一度やり方を覚えるとそこからの応用力が高い

ASDの人は応用問題が苦手と言われます。
しかし、何でも応用が利かないのではなく、興味の有無が大きく関わっているのではないかと感じています。
よくASDの人は英語が得意で留学している人も多いと聞きますが(私は全然違いますw)、英文って日本文と違ってSVOCなどおおよそ型が決まっているから頭の中で文章が組み立てやすいし、日本語と違って一つの言葉や表現に複数の意味があることが少ないし、尊敬語や謙譲語もないし、空気を読まなくて良いなどという性質があるから、ASDの人にとってはわかりやすい言語なんだなって思います。
留学できるということはきちんと応用ができてるということだと思っています。
私自身の経験では、子どもの頃はガンプラやミニ四駆が大好きだったのですが、一体の組み立て方を覚えると、違う機種も説明書を見なくても組み立てることができていました。
カスタムする時も、部品を付け替えるねじ穴の位置や、タイヤとモーターの組み合わせなど、自分の想像力でカスタムを楽しんでいました。
当時は今のようにネットで調べることができなかったため、なおさら自分で考えて楽しんでいたのだと思います。
また、大人になってエレキベースを始めてみたのですが、初心者ながら周辺機器の役割を理解することで、ネットで調べたりすることなく、ヘッドホンを使って練習する時のプリアンプの繋ぎ方を見つけることができました。
ちょっとしたことではありますが、自分の力で楽しみを見つける探求心にも繋がってくると思います。

・誤字脱字によく気付く

基本的に、文章読解が苦手な私たちですが、文字の羅列には目が行く傾向があります。
文章の内容というよりも、送り仮名や句読点や数字の桁などがとても気になるので、「文章を読む」という行動ではなく、「文章の中の間違いを見つける」という行動が、私たちの脳内では優先的に働きます。
英数字の全角半角も統一したいし、文章全体のレイアウトにもこだわるので、入力ツールの知識が多ければ多いほど、文章作成・校正・校閲はASDの方には向いている作業だと感じます。
実際にこうやって自分で記事を書いているのですが、投稿前の誤字脱字チェック作業はあまり苦に感じていない自分がいます、完璧ではないですが・・・。

・遅刻しない

多くのASDの人に共通するのは、時間が気になることだと思います。
今の時代は特に、「タイミングみて始めよう」と、時間を決めずにゆるくいこうという考えがスタンダードになっているように感じるのですが、申し訳ないけど、そっちの方がストレスに感じるのです。
「誰にとっても時間は同じように進んでいくし、たった一つのことに対して時間を気にしてせかせかしていても、自分がしんどくなるだけだよ」ってよく言われるのですが、わかっているけど気持ちをコントロールすることが難しいのです。
私自身もかなり時間が気になるタイプで、宅配便や折り返しの電話などが来る時間は気になるので確認してはっきりさせるのですが、時間がわかったらわかったで今度は時間が来るまで気持ちが落ち着かなくなってしまい、その間何もできなくなってしまったり、約束事があると時間の一時間も前に行動してしまいます。
しかし、この特性こそが「時間(約束)を守る人」としては評価の対象になることが多く、特に一緒に関わる方々からはよく信頼の言葉をいただいてきました。

定型発達の人と同じ土俵で生きていく中ではしんどい特性でも、こうやって個々人の長所を見つけて、自分に悩んでいる皆さんには、少しでも自信をつけていただきたいと思います。

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