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情けない話

はじめまして

私は最低な犯罪を犯してしまいました。毎日毎日、警察に逮捕されるのではないかと不安に思っていました。夜明け前に必ず目が覚めて、もうすぐ警察が自宅のインターホンを鳴らしに来るのではないかと心臓がバクバク鳴りました。就寝時には、「今日は逮捕されずに済んだ。でも明日は逮捕されるかも。」と考え憂鬱でした。「逮捕されたら実名報道?家や家族はどうなる?仕事はクビだな。次の仕事はどうする?」私は次第に眠れなくなりました。

自分がやってしまったことが恥ずかしくて、誰にも相談できませんでした。その内、「もう死ぬしかない」と思うようになりました。それが自分にとっての唯一の救いで、全てから逃げられると本気で思っていました。その選択が家族のためにもなると自分に言い聞かせました。「罪を償うには死ぬしかない」という愚かな考えもありました。

他人事


今までは芸能人が自殺したニュースを見ると、「よく自殺なんてできるな。怖くないの?」と安易に考えていました。完全に他人事でした。しかし死の恐怖を超える瞬間が自分にも訪れました。こんなに簡単にラインを超えるとは思っていませんでした。

試してみた

自殺について色々と調べました。なるべく手軽な方法で、周りに危険が及ばないやり方が良いと模索しました。身勝手な話ですが、家族を巻き込みたくないと思ったからです。その結果、首吊りを選びました。首吊りで亡くなる人が多い理由が理解できた気がしました。

実際にどれくらい苦しいのだろうか?私は家族が出掛けている間にクローゼットのポールにネクタイで輪を作り、首を入れて体重をかけてみました。

すぐに頭と顔がうっ血するのがわかりました。思ったよりかは痛くない。でも足がガクガク震え始めました。「やっぱり怖い。」覚悟を決めたはずなのに、完全に体重を乗せられない。しばらく体重をかけていると突然足に力が入らなくなりました。私はとっさに手を入れてネクタイから首を抜き、その場に倒れ込みました。「自分の人生ってこんなに呆気なく終わるの?」という言葉が頭に浮かんだからです。同時に死ぬことすらできない自分が情けなくなりました。

妻に見つかる


首吊り未遂をしたあとの自分は意外にも冷静でした。「あと少しで意識飛んでたな。こうやって試しにやってみて、そのまま死んだ人もいるんだろうな」などと考えていました。

しばらくぼーっとしたあと、何も解決していないことに気が付きました。「臆病な自分には首吊りは無理だ。別の方法にしよう。」と考え直しました。某ネットショップで道具を注文しました。具体的な話は避けますが、専用の道具を購入したのです。

そして後日、道具が届いたので自宅内に隠しました。数日後、家族が出掛ける予定があったので、その日に決行する予定でした。しかし、妻は私の様子がいつにも増して変だったことを怪しんでいたらしく、隠していた道具が見つかりました。いや、正確には見つけて欲しかったのかもしれません。妻が道具を見つけていなかったら、どうしていたか自分でもわかりません。

道具を見つけた妻は私に一言、「死にたいの?」と尋ねてきました。妻は私が何をするつもりなのかわかっていました。私はしばらく考えたあと、観念して罪を打ち明けました。妻は黙って私の話を聞いてくれました。

話を聞いたあと妻は「死ぬような話じゃない。警察に行こう。」と私に淡々と言いました。しかし私は往生際が悪く「仕事なくなるよ?家はどうするの?」と正直な気持ちを妻にぶつけました。このときのことを思い出すと本当に自分が情けなくなります。

妻は「まずは罪を償え。自分のことを悩むのはそのあと。」と叱ってくれました。本当にそのとおりです。私は自分のことしか考えていませんでした。

noteを始めた理由

その後、警察に出頭しました。そして現在に至ります。警察に出頭したあとのことは後日書きたいと思います。今は再犯防止を兼ねて病院に通っています。そこで初めて自分と向き合い、様々なことを学びました。

noteを始めたのは、学んだことを自分が忘れないように記録するためと自分の考えを吐き出す場所が欲しかったためです。つまりは自分のためです。しかし病院で学んだ知識が事前にあれば、私は犯罪者にならずに済んだかもしれません。

私は今回のことですべてを失いました。妻は子どもを連れていなくなりました。そして人生に絶望しました。自業自得だと痛いほどわかっています。ですが死んで逃げるという選択肢もなくなりました。正直、自分にはそこまでの度胸もないと思います。毎日のように自責の念に苛まれ、自分には価値がないのではないかと自問自答しながら何とか生きています。

「死ぬ気で生きれば怖いものはない。」これは担当の刑事さんから言われた言葉です。確かにそうかもしれません。

今後私がやらなければならないことは、罪を償うこと、子どものために養育費を欠かさず払うことです。そして、どうせ死ぬなら自分が納得する形で最期を迎えたいです。人に迷惑をかけたくありません。むしろ、人の役に立ちたいです。そのためにもとりあえず生きてみようと思います。

今が人生どん底だと思います。これから復活劇があるかわかりませんが、お付き合い頂ければと思います。私の経験が反面教師となり、誰かの人生のヒントになれば幸いに思います。

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