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2019年上期劇場映画 ひと言フリカエリ

最近、知人から紹介してもらう時に、「ランナーです」とか「トレイルランニングやってるんですって」ではなく、「映画好きな人」と言われることが増えた。彼女と一緒に1日で3-4本劇場で観続ける映画狂と知り合ったり、邦画専門な物好きな人もいて、おかげで作品の選択の幅が拡がった気がする。もちろん好みは違えど、結果的にはなかなか作品数を絞り込めず20019年上半期は24本。挙げ句の果てには、上半期マイベストは1本に決められず「チャンブラにて」「ナポリの隣人」「女王陛下のお気に入り」「魂のゆくえ」「幸福なラザロ」がもう一度観たい作品。結果的には20本は超えてしまうので、今後は厳選しないことにしようかな。クラフトビールもカレーもアートも好きですが、「映画好きな人」が加速中。
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「こんな夜更けにバナナかよ」
障害者は健常者に遠慮する必要はない。この映画をみれば、彼の言動が理解できる。

「愛と銃弾」
恋愛&マフィア&ミュージカル。メリハリがなくて途中で飽きちゃった。

「サスペリア」
暗澹としたトンマナと迫真的な前衛舞踏。オリジナル以上にグイグイ過ぎて楽しかった。

「チャンブラにて」
出演者と設定のリアルさに説得力があって、ロマの逞しさが眩しく思えた。

「ジュリアン」
映画に何を求めるかは人によって様々だけど、この映画は度が過ぎて、僕にとっては全くいただけない。

「ナポリの隣人」
”遠くの親戚より近くの他人”とはよく言ったものの、うまくやれない理由が血が濃いからというのは、やっぱりつら過ぎる。

「ビールストリートの恋人たち」
黒人同士の恋愛がこれほどまでに悲痛とは。いかなる理不尽なことも全編通して美しく描かれるもんだから、より一層痛い。

「女王陛下のお気に入り」
不快なのにサイコー!なのにアカデミー主演女優賞って、やっぱりどうかしてるぜ!!

「ヨーゼフ・ボイスは挑発する」
世の中をかき回した感のある唯一無二の存在感はアジテーター、エヴァンジェリスト、ファシリテーターのいずれも相応しい。

「たちあがる女」
やることが過激すぎて度肝抜かれた。言うならば、環境問題に敢然と立ち向かう、言うなら女性版ランボー奮闘記。

「運び屋」
”イーストウッド作品の良さは、あらすじだけでは伝わらない”典型的な作品。次の新作が待ち遠しい。

「マニフェスト」(2015年公開作品)
20世紀の思想家や芸術家のマニフェストへの知識が浅く、内容はさっぱりだったけど、不思議に観続けられたのは、一人人13役演じ分けたケイト・ブランシェットの演技力のおかげかな。

「ギルティ」
作品全体を支配する緊迫感たるや。’映画なのに音声で状況を描写する’という不自由さがガッツリ効いてる。音響デザイナーって凄い。

「ラストタンゴ・イン・パリ 4Kデジタルリマスター」
実はこれが初見。ストーリーはようわからんけど、DSや2cvがいまだ現役の当時のパリにうっとり。

「ブラック・クランズマン」
散りばめられたレトリックやアイロニー、アメリカンジョークがどこまで把握できているか不安だけど、それなりに笑えて、スパイクリーらしさを感じられる作品。

「私の20世紀」
エジソンとノスタルジー・・・。何がしたいのか、よくわからんかった。

「バイス」
飽きのこない作品の演出とクリスチャンベールの圧倒的な演技力が秀逸。ハウス・オブ・カードよりも数倍面白い。

「魂のゆくえ」いまのアメリカの政治が弄ぶ教会と環境問題。使命感に突き動かされた敬虔な牧師の行動に鳥肌。沈鬱で重々しい生きづらい世界にも、きっと希望はあると信じたい。

「ある少年の告白」
福音派の教えに従いゲイを矯正する本当にあった恐いお話。たいした想いもない人たちの手によって人間を変え支配する愚行が、まさに今でもアメリカで行われている。

「幸福のラザロ」
映画の説明はできるけど、どうして良かったか伝えられないぐらい良い作品!

「ビル・エヴァンス」
彼が奏でる音に包まれた上映時間84分間は至福のひと時だった。ただ、それが”時代”のせいだとしても、彼の70年代の風体はジャズメンとしてはいかがもんか。

「ハイ・ライフ」
罪人たちが宇宙船で子作りする話。スクリーンを通して船内に篭った匂いが伝わるほどの宇宙船の閉塞感は、閉所恐怖症だけに、かなり息苦しかった。

「希望の灯り」
旧東ドイツのスーパーで働く従業員たちのヒューマンドラマ。人は悲しみを抱えながら生きていくもの、そんな歌があったようにも思うけど、それを地で行く作品。フォークリフトから聞こえる機械音を希望に例えるのは、悲しすぎるよ。

「僕たちは希望という名の列車に乗った」
アフター・ヒットラーの東ベルリン。体制はいつか滅びるけど、貫き通した意思は金底の歩並みに堅し。若者の割り切りと行動力に痺れた。

「愛がなんだ」
JDで満たされた映画館だったけど、おっちゃんもかなり楽しめた。痛みとおかしみと愛くるしさが詰まった、イマを感じる恋愛映画。つい、旨いなーと唸ってしまうほとの出来映え。

「ニューヨーク公共図書館」
フレデリック・ワイズマンの作品は、描かれた対象を個々人に置き換えて議論するきっかけをつくる、そんな効果があるんだと思う。NY市民のために書庫という役割を超えて、コミュニティの課題に向き合うスタッフのひた向きさは、むしろ羨ましくも思えた。

「ハウス・ジャック・ビルト」
お騒がせ監督の新作は、凄惨な殺人を繰り返すシリアルキラーのお話。心なしか作風がマイルドになったかな⁉︎カンヌは100人の途中退席者だったらしいけど、有楽町の映画館ではたったの1名でした。