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藍 宇江魚
2021年12月13日 00:46
「うぉッ。くそッ。あぁぁぁぁぁッ。あーぁ、負けた…」 純太は悔し気にVRゲーム機のゴーグルを外した。 ソファーに座ってノートPCの画面を見ると、やはり同じようにゴーグルを外しニヤケながらもドヤ顔のサミーがソファーに座って純太を見ていた。 事の起こりは、三十分前。 いつものようにビデオ通話をしていた純太とサミーだったが、話題がオリンピックの開催とパンデミックの衰えることのない蔓
2021年11月26日 16:34
柏木愛梨がパートで勤めているネット通販の受付センター内の託児所。 休憩時間を使って彼女は託児所に預けている息子の想(ソウ)の様子を見に来た。「あら柏木さん」 顔馴染みの保育士が彼女に気づいて声を掛けた。゛「想くん。今、お昼寝なの」「あら。そうですか」 保育室を覗くと友達に挟まれて眠る想の寝顔が見える。 愛梨はホッとした。「想。先生の言う事をちゃんと聞いてますか?」 保育士
2021年11月14日 16:04
雷が鳴った。 バケツをひっくり返したような土砂降り。 道路を隔てた茶畑が雨煙に霞んで見える。 僕は坂本園でお茶を飲みながら外を眺めた。 稲光。 そして雷鳴が再び轟いた。 隣にキジトラキャットの奴が居る。 奴ときたら僕の閉じたノートPCの上を占拠して眠っている。 …僕のパソコンを寝床と勘違いしていやがる… 好い気なもんだ。 一際大きな雷鳴。 僕は突然のことにブルッと身体を震わ