![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45157858/rectangle_large_type_2_e024d0af2a4f8b47c819b8825beb9222.jpeg?width=800)
有休取った日に手にした本
有給休暇を平日に取った。ゆっくり起きてから、ホントに休んでよかったんだっけと、一抹の不安がよぎる。社宅の駐車場は閑散としている。出勤しないことにうっすら背徳感を感じるのはなぜだろう。
有休を取ったからといって特に用事はない。有休があるし、この日なら休めると思ったから取ったまで。
特に予定がないので、本でも読もうかと手に取った、中島義道著『働くことがイヤな人のための本』。
有給をとって読む本としてはシュールだなと思いつつ、読み出したらとても本質的で惹き込まれた。
「ひとはなぜ働かねばならないのか」というのが、この本の大きなテーマである。
働く人の大部分は、そんなことを考えないようにしているか、割り切っているだろう。働くのが当たり前だろう、と言う人には何を言っているかわからないかもしれない。そういう意味では、この本は万人に刺さるものではないと思う。
しかし、夏目漱石の『それから』や『門』の主人公に自分を投影したり、ふとした弾みで「なぜ働くのか」ということを考えてしまう人には、一読の価値がある。
私は、言葉にできずにモヤモヤしていた部分を、かなり明快な表現で言い表してもらえた。明日仕事に行く活力がわいてくる、というわけではない。が、仕事と自分の距離感を、改めて見つめ直すきっかけになりそうだ。
あとがきで著者曰く、日経新聞からの依頼で
「若者に『働け!』とカツを入れる本」
を、はじめに要望されたのだそう。読み終えてこの部分をかみしめると、なんとも言えないおかしみを感じる。
さぁ、明日は出勤だ。真面目に働きますよ。