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コンビニ店主が教えてくれる外国人労働者を受け入れる上で大切なこと。

現職に入社して丸4年過ぎ、生鮮食品に特化したEC事業を手がける当社において、ロジスティクスがいかに重要かを痛感する昨今。特に生鮮食品を中心とした食材の輸送・保管・包装・システム・流通加工などは、温度帯などの管理はもちろん、商品そのものも在庫に出来る期間が短く、自然を相手にするビジネスゆえの様々な変数にも向き合っており、その難易度は生産者からお客さまの手元に届くまで本当に高いです。(※そういう意味で日本全国隅々までの物流網を創り上げた先人の凄さをまざまざと感じます)

そんなロジスティクスの現場において、日本では多くの主婦や学生さん、外国人の方々がパートや社員として働いています。特に近年、外国人の労働者数は右肩上がりで伸びているのが現状です。(※コロナ禍の2020年は外からの流入がどうなるかはまだ出ていませんが)

厚生労働省が発表している「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和元年10月末現在)によると、令和元年(2019年)10月時点の外国人労働者数は1,658,804人と、前年に比べて198,341人、13.6%の増加となっており、平成19年(2007年)に届出が義務化されて以降、過去最高を更新。

詳細は上記の厚生労働省発表の資料内で確認できますが、多くは中国や東南アジアの国々からきている方が多く、就労先を産業別に見てみると、製造業が全体の29.1%、卸売業・小売業が12.8%、宿泊業・飲食サービス業が12.5%と高い比率を占めています。

中長期的には高齢化が進み、人口が減っていく日本において、人材不足や若手の確保という観点や、多様性といった観点からのイノベーション創出などのメリットがある一方で、受入プロセスにおける文化の違いや語学含めたコミュニケーション、ビザの取得や管理などの問題含め、受入企業側の整備が進んでいないという課題があるのは事実です。

また、パーソル総合研究所の調べによると、外国人労働者の賃金水準は日本人含む一般労働者の同年代の約8割という結果もあり、外国人労働者の方々にとっての不満ポイントの上位になっています。(※パーソルの調査自体は厚生労働省が令和元年(2019年)に実施した「賃金構造基本統計調査」を参照)

アジアの国々でも昇給率は年々上がっている中(※パーソル総合研究所の調べを参照)、このままの状態が続くと賃金観点での日本の優位性も徐々に失われていくとみて間違いないでしょう。

賃金の問題は、同じ仕事を同じパフォーマンスでしている以上、国籍や性別、年代に捉われることなく、考えていくことはもちろんですが、受入をおこなっていく以上は、賃金だけでなく外国人労働者の方々が安心して働きがいを持って、就業し続けられる支援を企業として(チームや個人単位含め)、つくっていく必要があります。

下記の記事はコンビニにおける一つの受入事例ではありますが、非常に参考になる部分がありました。(※以下に抜粋します)

少しでも学ぶ機会を増やしてあげたい――。そんな思いから城戸さんは7年前、留学生向けの勉強会を始めた。業務の合間などに店舗のバックヤードで月2回、1時間ほど、日本語学校の宿題や小学生用の国語ドリルを使う。留学生用のLINEグループもつくり、サービス内容や日本語の言葉遣いに関する質問にも答える。バイトを経て専属の通訳として採用したベトナム人もいる。
留学生の大半は20代。同世代の子どもが3人いる城戸さんには他人事とは思えない。「子どもが異国で同じ境遇に置かれたら、どんな支えがほしいだろう」。いつしか雇用主とバイトの関係を超え、親身になって相談に乗る自分がいた。「親なら雇用主のことも知りたいはず」と、テレビ電話で母国の家族にあいさつしたこともある。

この記事内で城戸さんがおこなっていることは、雇用する側として提供する必要機会を超えた取り組みです。自身の子どもが異国で同じ境遇に置かれたら、どんな支えが欲しいだろうかという想像力をもって、支援をおこなっていらっしゃることから、本当に素敵な方なんだろうと思います。

企業側や受け入れる担当者は、ついつい手続き的に何が必要か、何をするべきかを考えがちで、それももちろん大切なことではありますが、もっと大切なことは働いてくれる個々人の置かれている現状に想像力をもって、企業や担当者の立場はもちろん、一個人としても何が支援できるか、ということではないでしょうか。

城戸さんの取り組みは、当たり前かもしれないけど、とても大切なことを僕らに教えてくれています。一企業人としても忘れずにいたいと思います。

今宵もここまで。読んで頂き、ありがとうございました。

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