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読書記録|リー・エドワーズ『現代アメリカ保守主義運動小史』

読了日:2021年10月2日

 日本の近現代史研究や安全保障、インテリジェンスのスペシャリストである江崎道朗氏監修の『現代アメリカ保守主義運動小史』。

 当然ながらアメリカにも保守派とリベラル派があり、第二次世界大戦の頃も両派の衝突があった。
 現在のそれらがどのようにして作られたかを歴代の米大統領と共に追っていく。

 戦後の日本は、GHQの介入により当時の米大統領ルーズベルト(民主党)によりニューディール連合の影響を強く受けた。(更にルーズベルトはコミンテルンの影響を受けていたのだが)
 現在ではそのようなことは公に(特に日本では)語られることもなく、日本が戦争に負けたという結果の部分しかピックアップされないが、日本と同様に、アメリカも一枚岩ではないということをこの書物が伝えている。

 更に、日本には強い国であってほしい”ストロング・ジャパン・ポリシー派”、逆に日本には弱い国であってほしい”ウィーク・ジャパン・ポリシー派”、この二つの思惑が米国内でせめぎ合っている。
 もちろんこれは日本のためではなく、自国のためというのがいの一番にあるだろうが、日本としては当然前者を味方に付けておきたいものだ。
 それは”頼る”という意味ではなく、”うまく付き合う”という意味で。

 アメリカの保守運動の歴史家であるリー・エドワーズが綴る、アメリカ保守派の存在とこれまでの歴史を、日本人が知っておいてもいいと思う。

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