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化学反応のまなびかた:いくつかの元素記号と分子や電子のうごきを知ることから
はじめに
数学とならんでとっつきにくいといわれがちな理科のせかい。なかでも化学は物質からべつのものができることわりをまなぶ。
効率よく身につけるにはまずは化学のほんのいくつかのルールを知ることから。
きょうはそんな話。
講義のおてつだい
研究サポートでは学生さんと接する。大学に入学したての1年生から4年生、そして大学院生たち。その多くは高校で化学をまなんでいる。それなりに身につけて入学後もどっぷりとそのせかいに頭のてっぺんまで浸る。
専門のぶ厚いテキストを手順よくまなんでいる段階。そのあいだに高校までの内容をなにもつかわず高校生に説明できるほど身につけていく。つまり教育実習できるほどに。バックボーンの専門の知識と技能があるおかげでそれが可能になる。大学の教学のしくみとはヒトづくりにほかならない。
次世代にその技術や知恵をうけついでいく場。したがってお手伝いしているのはその場のひとつ。先生につくのは均してみると各学年あたりほんの数名ずつにすぎないし、それなりに時間と手間もかかるがていねいに一人前にしていく。
化学を知るには
化学を効率よくまなぶには、まずは元素のずらりとならぶ周期表。このなかから1~20番までの元素記号をおぼえよう。そう、さまざまごろあわせしながらおぼえた方もおいでだろう。その順番よりまずは元素記号。化学ではOやNがなにをあらわすか。
英語の初学者がまずアルファベットをおぼえるのと意義はほぼおなじ。しかも実際にアルファベットひとつかふたつのくみあわせでできている。ほんの20個ほどで当面のあいだ(高校卒業まで)ことたりる。のこりは化学をまなぶうちに周期表で確認できさえすればだいじょうぶ。
ふたつめは化学反応式の書き方とルール。これを書ければ、物質どうしでなにができるか予想できるようになる。元素記号も化学反応式も便法にすぎない。言葉で書いてもかまわないし、そのまま学んでもいい。でも記号のべんりさにいずれは気づかされることに。
化学反応にはそれなりにルールがあって、きまぐれにおこっているわけではない。もちろんなかにはしぜんとすすむ反応もあれば、熱したり触媒をくわえたりしないとなかなかすすまない反応もある。
それらのちがいにはもっとさきででてくる反応にともなうエネルギーの考え方が必要になる。物理で習うエネルギー。じつは化学の世界にも通じている。それぞれの物質には固有のエネルギーの状態があると知る。
電子のうごき
それから反応にむかうにはそれぞれの分子をかたちづくる原子のまわりの特有の電子の性質をつかむことがだいじ。
これはむしろ理系にすすむ学生の多くは大学にはいってからさらりと接する。化学を専攻するとつづけてくわしく習う。これだけでも1~2講義ぶんになるほど。有機化学を専門にするとさらに3,4年生~大学院で段階をふみつつ、あのノーベル化学賞の福井謙一氏のフロンティア電子理論などにも接する。
この段階になるとみずから反応のすじみちを考えたり、未知の反応の可能性の予測をたてたりできる。そして実際に実験でたしかめる。ここらあたりから化学がおもしろく、そして奥のふかさに気づかされる。
おわりに
化学をはじめてまなぶには、ごくすくないルールを知ることから。これってスマホでゲームのなかみを知るよりもごくすくないと思う。それにもかかわらずおとなになり接することがまれなのは、最初のルールをまなぶところでうっちゃってしまいがちになるからかもしれない。
ここからさきにおもしろくなるところが待っているにもかかわらず。そう思いつづけ、この道をこころざす学生さんたちにおもしろさをつたえようとこちらも日々どうしたらそれがつたわるか苦心している。
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