梅雨どきのある日のミディトマトの生産と販売について
はじめに
ふと7年まえをふりかえりたくなった。どんな生活・しごとをしていたのか。なかでもトマトを中心にやさいをつくり販売所に出荷していたころ。
作物の生育にあわせて1日がすぎていた。そんなある1日のようすをそのまま紹介。いまふりかえると感慨深いし、いまならもうやれないなあとつくづくおもう。
きょうはそんな話。
朝おきて
7年前の6月の下旬のある日をふりかえる。すでに1月中旬には保温したトレイへの種まきとどうじに畑を天地がえししてのざらしにして害虫のたまごなどをかえらないようにまえ準備。
それにつづいて石灰や草木灰をまき、おちついたころにたい肥を入れ、土がふかふかにおちついてきれいに畝ができあがるのが4月下旬、つぎつぎと生育したトマト苗を植えつけていく。合掌でがっちり組んだ支持棒への誘引、脇芽つみなどを経て開花。6月下旬には収穫をむかえた。
そんなつゆどきのある日の早朝。まだあたりはやみのなか。それもそのはずようやく東の空の方角がほのかにあかるくなるころ。手さぐりで赤いミディトマトの果実を手で収穫。このはたけには350株のミディトマトの株を時期をずらしつつ植えている。
軽自動車のうしろの座席をたおして荷台にしていた。そこへ収穫物をあつめる容器をいくつもつみ、はたけへ。30分ほどかけて収穫や誘引の作業。大雨以外は1日おきに収穫。
トマトをつめる
毎回300個あまりを収穫。小雨でぬれる果実を布でやんわりふきながらあつめていく。そう、ここは露地栽培。ハウスなどではない。したがってあつめ終わると雨具をさっとぬいでトマトたちと自宅にもどる。
もういちどきれいな布でふいて竹を編んだたいらなざるにうつしてかわかす。やむなく翌日までそうして置いておくことも。かわいたものからトマト容器につめていく。このミディの品種ならばピンポン玉ほどのもの7~8個。透明容器にひっくりかえしてていねいにならべて2段づめ。
バランスよく配置すると車で10kmの販売所までなかのトマトがうごかずおぎょうぎよくきれいにならんだまま。とうめいなあなを3個所ポンチであけたふたをして、わたしの農園をデザインした紙ラベルをはる。
雨の日は
晴れた日ならば収穫から容器づめまでおよそ2時間。雨の場合は夜までかかる(翌朝出荷)。ほぼ40パックできあがる。そのあいだにあさごはんを5分ほどですませてこんどはひとかかえほどのトレイにトマト容器を積んでならべる。
雨の日はトレイの中身をぬらさないように清潔な布でおおうなど細心の注意が必要。販売所のバックヤードまでいかにぬらさずに両腕でかかえてはこびいれるか、さまざまくふうが必要。車を停めた駐車場からバックヤードのいりぐちまでのわずかなところをうごけずに、どしゃぶりのなか車内で20分ほど待つことも。
店内で
ようやくバックヤード内にはいるとこんどは販売所のラベルづけ。トマト容器ひとつひとつに1か月前に申請・登録して得た価格入りのシールを印字したうえで貼っていく。値段はその日の市況しだいでみずからきめる。さきほどわが家で貼った農園のラベルにくわえ、みずからの名前入りのシールが貼られるといかにも商品のできあがり。
これを「関係者以外立ち入り禁止」の表示のあるとびらを内側からひらいてあかるい店内へ。ひろい売り場に生産者のやさいがならぶ。開店前は壮観。トマトのコーナーへとならべていく。
ここは早いもの順。したがって朝はやくに来れるといい場所を得られる。手間どり始業直前になってしまうとなかなかスペースをつくるのがむずかしい。ほかの方々のつくられた作物をならべなおしてスタッフの方と共同で空きスペースをつくる。
スペースができないと判断するとたなの下へ置いておく。棚の上の商品をお買い上げであいたところへスタッフの方々がならべてくださる。どなたも手際いい。
おわりに
ここまでおわるとやれやれ。昼食時以降には売れぐあいをネットで家にいるわたしに報告してもらえる。夕方前までに3分の2、翌日の午前には売りおわる。何度か仕入れたいとレストランオーナーのかたから声がかかったことも。ざんねんながら責任を負えないといずれもおことわり。
昼休みに洗濯など家事をすませて3時すぎには主業の学習サポートへむかう。ほぼお盆まえまで収穫がつづく。トマト以外のやさいとともにほぼこうして60~80品ほど1日おきに3~4か所の販売所にやさいをだしていた。
いちばんはなれたところで20km、くるまを運転してやさいを収穫しはこんだ。ミディトマトは手間のかからないほう。それにたいして葉物などは収穫後にあらってかわかしふくろづめ、ラベル付けとひと手間、ふた手間おおくなる。
よくもまあ、こんな作業をひとりで6年やりつづけたものといまふりかえってもふしぎなぐらい。
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