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おとなのわがままとこどもの理性 家庭で理性をたもちつつ勉強を教えるには


はじめに


 こどものペースにまきこまれてしまい、つい感情的になってしまう経験者は多いだろう。

この無邪気かつ小悪魔的存在に対峙し、いかにして大人の体面をたもちつつ理性でもって教えられるか。この乗り越え難き課題に立ちむかい、そのはてにたどりついたさきには…。

夏休みまであと3週間あまり。ことしこそはリベンジをとお思いの方々へ。

おとなとこどものあいだでは


 「クレヨンしんちゃん」を読む(もしくは視聴する)とわかるが、しんのすけはなかなかのくせ者。彼のペースをいつも維持している。ああいえばこういう。負けをみとめずこども相手にむきになるみさえさんとのあいだのバトルはみものだ。

これはあくまでも「他人事」で、幼稚園児のことと笑ってすませる。ところがうちで保護者が勉強を教えるとなるとどうだろう。と、脳裏をかすめたとたんに事態の深刻さの度合いが増す。

主宰する学習サポートにおとずれる保護者の方々のおはなしで多いのが
「いえで教えるといつもこどもとけんかになる。」
だ。これはいつの時代でもそうかもしれない。そしてその傾向と対策とは。

小学2年生Aくんの場合には…


 ここに、昨年のはじめての夏休みにひろげられるだけ羽を伸ばしてたためなくなった小学2年生Aくんがいる。ときは2回めの夏休みが落日をむかえようとする8月30日。彼の宿題帳は全ページの5分の3が埋まるほど。

Aくんの保護者はふりかえる。昨年の反省から感想文、日記と自由研究については、休みのこれまでの30日あまりを費やし彼を叱咤激励、ほうびでさそう手段を駆使しつつ、「保護者の懸命の労苦」によりなんとかなった。

あとはこの宿題帳を残すのみという状況下にある。しかし思いとは裏腹に彼の手にするえんぴつはいっこうにうごかない。

敵もさるもの

 この段階で、保護者は工程表をあたまのなかで描く。
 ーなんとか9月1日の提出しめきりには間に合うだろうー。
と、おとなは職場仕事のごとくあてはめ、あらぬ算段をする。

これがじつに危うい。おとなの身勝手。さきほど申し上げたようにこどもは魔物。おとなに対して状況を察すれば、あまのじゃく的様相を呈する。したがって、老獪な(と自らは思い込んでいる)おとなは隠し持った札を小出しにする。

親をだんだん卑下しないか


 「はやく終わったら、Bちゃん(いとこ9歳、車で1時間先に在住)ちに行こうか?」とかである。

だがそこはA君、「Bちゃんも宿題あるって。」と、きのう電話で聞いたとおりを冷徹に伝える。
 ーそうか、しまったー(おとなのひとりごと)。

このやりとりは永遠につづきそうなのでこのぐらいにして、場面のポイントをもう一度ふりかえろう。

家庭でスムーズにすすめるには(Q&A)


 なぜ、A君はえんぴつをもったままフリーズしているのか着目してみよう。わかっていない。なにをどう解けばよいのか。彼はそこではた…とこおりついている。

Q1:ご家庭で保護者が勉強をすすめていくには?
A:どこがわからないか保護者が見きわめる。こども自身ではどうしてわからないか説明することが容易でないから。

したがって保護者が、どこがわからなくて(かん違いしていて)できていないのか把握からはじめる。ここで「どうしてわからないの。」は禁句。こどもはこたえようがない。

Q2:わからない部分を見つけるポイントは?
A:こどもが問題を解く過程をよくみる。たいていその途上に、わからない理由が内包されている。(先生は経験にもとづきわからない部分に先まわりし、回避しつつ教えるが。)

多くの場合、ことばだけで説明すると遠まわりになりやすい。これ、やりがち。しかもおとなのことばで。教科書をひっぱりだしつつ、絵や図を書こう。

Q3:説明をわかってくれないようだが?
A:おとなが教科書とちがう言葉や手順で説明すると、こどもはとたんにわからなくなる。あくまでもこどもは言葉に関して発達の途上である。

くわえて正解にいたるながれが、こどもの頭のなかに描けているか確認する。その把握は難しいかもしれないが、こどもなりの説明で解までたどりつければいい。ながれをお子さんが理解して正解を導きだせていればよし。

ほめておわろう


 こどもなりの説明がたどたどしくてかまわない。おとなのようには流ちょうには説明できなくてとうぜん。それをまなんでいるわけだから。

こどものことばでそのながれをつかめれば解けなかった問題を解けるはず。それがじぶんのことばで消化できている状態だ。

こどもがにっこりすれば成功。わずかな進展であってもさいごはかならずほめて終わろう。

まだまだつづきを書きたいが、きょうはこのへんで。


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