見出し画像

麦ふみがおわるころからそろそろいもの植えつけのじゅんびがはじまる


はじめに

 今回も備忘録として。 
この時期になると体力つけとかなくちゃとおもいはじめる。4年ほどまえまでいつも年明けと同時に1年でもっとも過酷な作業にはいる。

そんな趣味ではほとんどやらないだろう、しごとではこんなやりかたはしないだろうという労力のいる作業について記す。

きょうはそんな話。

(タイトル写真ははたけにのぼる道ぞいのノジギク)

すべて手作業で天地返し

 これから1年でいちばんさむくなるころ。

一輪車を押しながらうっすらと冬化粧の山々を見あげる


はたけでの作業はしゅんぎく、ブロッコリーやエンドウののこりを収穫しひとつぶずつ蒔いて芽吹いた麦ふみをする程度。

麦踏みからしばらくのちのはだか麦

販売は保蔵した晩柑などが中心。

これからのさまざまなかんきつ・晩柑
あまなつの木、ここだけは寒風のはいりにくいあたたかな陽だまり

作物に関する作業がひといきついている一方で、1年でもっとも過酷な作業が待っている。輪作で休ませていたところの天地返し。いつもペットボトル2本と手押し車にスコップとくわをのせて丘のうえのその場所へ向かう。

土にスコップのふかさほどさして、土のキューブをそのまま地面に露出させる。できた穴へもういちどスコップをさしさらにキューブを地面へ。つまりスコップのふかさの2倍ぶんを天地返しする作業。からだが火照り着ているものをつぎつぎに脱いでいく。

作業はつづく

 真冬の早朝にTシャツ1枚での作業。これでも汗がでる。何メートルかすすむと息をととのえるためひと休み。セキレイがそばにやってくる。こちらの動きもさほど気にせず、あとを追うように懸命に土をの表面をついばんでいる。「その調子、虫を食べてくれよ。」とお願いする。ウィンウィンの関係。

土中の虫の幼虫などを寒風にさらす。陽の光と乾燥で虫の卵などもやっつける。何年かのあいだこの場所で作物をつくりますよの合図みたいなもの。そのまま数週間さらしてかわりに表面の土をいちばんふかいところへなげこむ。こうして表面とふかいところの土をいれかえる。

腐葉土はこび

 しばらくおいたらそこへ腐葉土をいれていく。わたしの山からシイなどの常緑照葉樹の落ち葉でできた腐葉土をあつめて一輪車ではこびおろす。山の腐葉土はごくうすい層。それでも表面のここ数年間につもった葉や小枝をとりのぞくとその下にほくほくの黒褐色の腐熟した層があらわれる。

1年で1ミリも増えないそうだ。ここをうすくはがしていただく、そしてさきほどどけた落ち葉をふたたびかさねておく。ここへつぎに来るのはいつだろう。あつめただけはたけへ投入。

こうして山とはたけを何往復かすると真冬でも汗をかく。いっしょに茅場で枯れた茅を束にして小屋に収納したり、トマトの支持用のささ竹を竹山にむかいあつめたりの作業もおこなう。しごとはつぎつぎとあり水分補給が欠かせない。たまに腐ちかけた落ち葉も山から集める。

こちらは虫やたまごなどが気になるので1~2年はたけのすみでごく少量の油かすをまぜて温度をあげてさらに熟成させてからつかう。

さて、天地返しの済んだはたけ。堆肥を500kg/1アールほどいれていく。すくなくとも100年のあいだこうして堆肥をいれつづけ、維持してきたはたけ。それでも作物をいただくだけ土に補わないと。山々につもる雪をながめ、早朝のつよい霜で凍った土をくだきながらこうした作業を1月いっぱいつづける。

ようやくさといもの植えつけ

 2月はじめ。霜の被害を避けられそうな時期がちかづくころ。ようやくいれた堆肥が土になじんだころ畝づくり。さといもは場所をとる。やさいの倍ほどの畝幅 。いずれ土を大量に茎へと寄せていくのでかなり広めにする。畝のまんなかを鍬やスコップで60センチほどの深さと幅で溝をほっていく。

そこへ堆肥と肥料を投入。溝の底でよくかきまぜたのち土を10センチぐらいかぶせ、ほんのちょっとだけ芽出ししたたねいもをたてておいていく。

芽が出かかったさといも

わたしは本来の種いもとともに、大きくそだった親いももつかう。親いもは成長がはやく、8月末にはさぐり芋を土に手をいれて収穫できる。まだはしりの時期なのでよい値で売ることができる。

株もとに手で収穫したさぐりいも:ころころまるっこい
煮っころがしがおいしい

じゃがいもは…

 さといもの作業と前後してじゃがいもの種芋の植えつけ。何年かまえのブログを見ると、ちょうどこの時期に、縁側でほんのちょっとだけ芽出ししたじゃがいもの種いもをはたけに植えつけていた。

暖かくなるとの情報をもとに作業に着手。「梅が3分咲きで芋の植えつけ」と勝手にみずから決めていた。

冷えこむようすと強い霜がなさそうとの予測からじゃがいも、さといもなどの植えつけにかかるタイミングを見計らう。

芽が出たのち土を寄せつつあるじゃがいも


結果がよければそれだけはやく露地物として店に出すことができるから。

この年は年越しまえに植えていたじゃがいもが強い霜に何度かあたりつつも生き残り20株ほど残っていた。このまま残して春先に掘れた。きれいなおおきなものを選別して店に出し、ちいさないもやきずいもをじぶんで食べる。それでもやっぱり新じゃがはみずみずしい。

おわりに

 はたけにのこるじゃがいもの株を横目で見ながら、あらたに切って乾燥させた種いもを植えつける。つまり昨年の春から1年中(といっても7月は休んだが)種いもを購入してじゃがいもを作りつづけている。

この年はじゃがいもをひととおり植えつけたあとは、休むまもなく今度は里いもだった。5年ほどひとつで1キロ以上ある親いもを植えつけてじゅうぶんな収穫ができている。保存に成功してだいじに植えつけたはずの子いもは、成長に手間どっているあいだに、イノシシなどに食べられてしまいがちに。

親いもの場合にはすぐに大きくなるので、一部を食べられつつもなんとか生き残り収穫にこぎつけていた。一度はそれでも植えつけた親いもまで食べられてしまいある畑では全滅。さといもは病気のはいりやすいじゃがいもとちがって代々植えついでいける。そのだいじな種いもをうしない、収穫ゼロだったことがきっかけで農業をやめた。

したがって親いもを植えるにしても、イノシシの出没具合などがすべて。


こちらの記事もどうぞ


広告


この記事が参加している募集

わたしの野菜づくり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?