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「レコメンデーション」の時代が終わる時

意思決定を行うにあたって、現代ではスマホの普及などからかなり複雑化かつ多様化してきていると言える。その中でもっとも特出したものが「レコメンデーション」という概念だろう。

「レコメンデーション」とは、日本語で「推薦」「おすすめ」のように訳されることも多いが、その中身はデータ解析とアルゴリズムによって出来上がっている。それは、顧客に対してサービスや商品の優先順位と提示方法が提供され、そこから購買決定行動にまで持っていく。

NetflixやYouTube、amazon、twitterなどさまざまなところで、至って「普通」に普及してきた。今やChatGPTによって音声やチャット形式でのやり取りでのレコメンドまでできている。

この仕組みと言っていいのか概念と言っていいのかわからない「レコメンデーション」の時代が終わってしまう未来があるのかもしれないとふと思った。そこでレコメンデーションの次に来る仕組みや概念を少し考えてみようと思う。


パーソナライゼーション(個別化)

レコメンデーションは、
・一般的な傾向
(流行的なものや購入するものの色や素材、時期など)
・統計情報
(個人や集団における購買決定要因や商品などの特性など)
に基づいて推奨を行うが、次の段階では"個々のユーザーの好みやニーズをより精確に把握し、個別に適合する情報やサービスを提供する仕組み"が登場する可能性があるだろう。

簡単に言えば、「あなただけに"ぴったり"のサービスが提供される」ということだ。

ユーザーの行動履歴(購入履歴や身体的な履歴など)やプロフィール、ソーシャルメディアのデータなどが活用されることにより、いっそレコメンデーションが発展した上でパーソナライゼーションを推し進めていく可能性がある。


コンテキスト意識の強化

今後、現状より高度なコンテキスト意識が求められることになる。レコメンデーションは、現在の状況やコンテキストを考慮することができる。
しかし、さらに次のステップへといくためにコンテキスト意識を高めることは想像以上に必要になる。

ここでいう、コンテキストとは、一般的に「文脈」と訳させれるような浅いものではなく、個別化または多様化されるユーザビリティにいかに対応していけるのかである。ゴールが決められている際に最適なロードを辿れているのかどうかをさらに意識していかなければならない。

ページを読み込むスピードのようなバックエンドからUIのようなフロントエンド的なところまでさらなる研究と分析、クリエイティブが必要になる。

今後は例えば、場所/時間/気候/人々の感情/ニーズなど、より繊細な要素を組み合わせることによって、レコメンデーションの深層化or新層化を行われるようになるかもしれない。


解釈や補完の提供

レコメンデーションというのは、基本的には、データ解析とアルゴリズムによってできている。そこを越えたレコメンデーションの次の段階においては、より人間の判断や意図を反映したものが求められ、手法が考えられ、実現性を帯びてくるだろう。

例えば、技術発展(自然言語処理や機械学習など)により、ユーザーの質問や要望をより深く理解したり、聞き出したりすることで、最適解やあえて人間味のある情報やアドバイスをする時があるかもしれない。

人間的な回答や信頼というものを逆手に取った「人間味」というものの研究も進んでいくだろう。そのことからも情報学だけでなく、心理学や行動学、もっと講義的には「人間学」をさらに推し進められる未来は予測しやすいとおもう。


ユーザーの参画の促進

前述で、データ解析やアルゴリズムがレコメンデーションの構成であるようなことを記したが、その基礎ともなる人間やそのユーザー(消費者)の行動データもかなり重要になってくる。

そうなれば、人間をトラッキング(追跡)するような社会はほぼ確定で実現化されてきている。中国の街中にあるカメラやamazon goのような形もある。そこから何が取れるのかといえば、ユーザーが自身の好みや興味をより積極的に(勝手に)入力することになる。何を買ったのか履歴が残ったりもするわけだが、それがあなたへのレコメンデーションになり、システムとの対話的な関係を築くことができるようになるかもしれない。

そして、それがChatGPTという形で実現化されつつある。さて、それはレコメンデーションを越えるのか楽しみなところではある。

それはさておき、正確で精密なレコメンデーションがなされるだけでなく、ユーザーの履歴からユーザー自身も自分に合った情報を主体的に探求、追求(メタ的な)ことができるようになるだろう。


倫理と透明性の重視

レコメンデーションが様々なサービスで使用されたことで、個人情報などのセキュリティ的な面やサービスでのアルゴリズムの特徴理解などがユーザーの中で高まっている。実際、Z世代はそれらを理解した上でSNSを始めとしたネットワーキングサービスを利用している。

この視点から考えると、ユーザーのプライバシーや倫理的な側面を重視したような、透明性を持ったレコメンデーションシステムに需要が大きくなる。ただこれはレコメンデーションの質の高めであり、次の仕組みや概念が出てきたときには生き残っているかは誰も知らないだろう。

ただ、ユーザーに対して、どのようなデータが利用され、どのようなロジックに基づいて推奨が行われているのかを明確に説明できる仕組みは絶対的に重要になるかなと考えられるのは必然とも言える。


さいごに

ここまで、レコメンデーションについてそれぞれ書いてきたが、どうだっただろうか。新たな仕組みや概念というのは1人で練り上げるのはほぼ不可能に等しいが、新しいサービスや技術に触れ、体感することこそがとても重要で、レコメンデーションが終わった次の時代に乗り遅れないようにしたい。




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