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暮らしに和をとりいれる01|美しく緻密な幾何学模様が魅力の「組子」のインテリア小物

日本独自の「和」の文化。その伝統や匠の技、この国ならではの気候風土に根差した素材により生み出された和の逸品は、暮らしを優美に彩ります。
伝統を受け継ぎつつ、現代の住まいにもなじみ、心豊かに暮らせる和のインテリアや小物を紹介するシリーズです。

今回紹介するのは、新潟県にある猪俣美術建具店の「組子」。
組子とは、釘や接着剤などを使わずに細い木材を組み付ける伝統技術のことで、主に障子・欄間・襖・間仕切りなどの建具に施される精微な模様が特徴です。

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新潟県上越市でこの伝統的な技法・組子細工を用いた建具をつくり続けている猪俣美術建具店。規則的な幾何学模様の美しさは、わずかな誤差も許されない手仕事で、同社ではオリジナルのデザイン提案から制作まで手掛けています。

建築における建具などの組子は手間がかかり、高い技術が必要なものほど高額になることが多く、なかなか一般の方には手の届かないものと考えた猪俣さんは、インテリアとして気軽に使えるもののデザインを始めました。今ではキャビネットや食器棚の扉や、背もたれに組子を施したイスなどの家具や照明、鍋敷きやコースター、小箱など小物のデザイン・制作・販売も行っています。

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衝立に用いられている曲線は、同社の特徴のひとつ。あえて「間」をつくることにより、独創的なデザインに。

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こちらは、組子をあしらった行灯。模様によって映し出される陰影が変わり、幻想的な空間になります。

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また、組子をアートとして世界に発信したいと、2006年からイタリアやフランス、アメリカなどの海外の展示会にも意欲的に参加し、日本伝統の技「組子」のアートとしての魅力を伝えています。(写真は同社ショールーム)


書籍「和風住宅」「和MODERN」では「和のある暮らし」として和に関連した家具や設備、小物などを掲載しています。
※本記事は「和風住宅23」掲載文を再編集したものです

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