かつて、愛した過去の人。
かつて、今までで一番、愛を注いだ人はいるだろうか。
それが片想いであろうと、両想いであろうと、「昔、好きだったんだよな。」と思える人は少なからず、誰しもいるのではないだろうか。
ふと、いまの恋人や好きな人、男友達ないしや女友達と一緒に過ごしているあいだに、思い出してしまうことがある、という人はどれだけいるのだろう。
そんな私は、かつて大好きだった彼のことを、ふと思い出すことがあるのだ。
まだ若かりし10代の頃でもあり、今日みたいなジッとしているだけで、汗が頬を伝っていくほどの8月末。
私と彼は、実家のわたしのベッドの上にいたのだ。
もちろん未遂である。
前日、少なくともその「覚悟」はしていた。
なんなら私の「初めて」をついに卒業するのだろうと予感さえしていた。
そして当日を迎えたその瞬間、大好きな人からの誘いを拒否してしまったのだ。
もちろん嫌いなワケはなく、ものすごい好きだったのは事実だ。
どうして目の前に大好きな彼がいるのに、触れられることを拒否してしまったのか。
いま思えば、勇気も覚悟もマイナスだったのかと。
表向きは、余裕ぶっていただけで。
実際心の中は、「毛の剃り残しは大丈夫か?胸は小さいから嫌われるかも?実際痛くて入らないのでは?」そんな不安が頭の中をよぎり、気づいたら無意識に拒否してしまったらしい。
そのときの私の心情は思い出すことが出来ないが、
いま思えば、顔もそこそこイケメンで。細マッチョで。日に焼けた良い感じの胸板に抱かれても良かったなと、少しばかり後悔が残る。
あのときは、青春だったな。
あのときは、本当に大好きだったんだ。
ただ、ただ、お互いの手が触れるだけでドキドキしていたんだ。
そんな気持ち、もう戻って来ないんだろな。
-そんな17才。夏の終わり。私の恋も終わり。
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