制作と製作

【毎週火曜更新・時間堂、年商1億プロジェクト22】時間堂プロデューサー大森晴香です、ごきげんよう。しれっと木曜日。

昨日、制作協力している「まいかプロデュース」の『泥沼リリー』が無事に初日を迎えました。時間堂のお客さんからご予約いただいたり、SNSでご声援いただいたりして、そのたびにおおっとなっています。

私は出演しない裏方なので、お客さんは私を観にくるわけではありません。きっと、私が奨めるものはおもしろいんだろうとか、私をいっちょ応援しにいこうとか、そういう動機で行動を起こしてくださってるんじゃないかと想像します。

これってすごい嬉しいことだなぁ。

私はできないことがたくさんあるし、できることも請け合いすぎてできなくなったりもする。そして簡単に自信を喪います。そういうとき、「あなたのがんばりを私は見てますよ」ってのはもちろん沁みるんだけど、それ以上に「あなたが推すものは価値あるものだと信頼してるよ」というメッセージがアンテナにかかることが支えになります。

自分の奨めるものが万一つまらなかったら、私は個人的なセンスも疑われかねないし、下手をするとこれから先どんなに言葉を尽くして推薦しても、話し半分にしかとりあってもらえなくなるんじゃないか。そんな不安があるので、私は「自分が関わっている」とか「中の人が仲良し」だけでは猛プッシュできないカラダになっています。特に、通し稽古より前から確信を持って奨められる団体・作品はものすごく稀有。ある意味カケ。

で、いまの現場は正直、カケに勝った感があります。日曜まで中野テアトルBONBONでやってます。日曜と土曜昼は完売御礼なので、木金と土曜夜でしたらご予約可能です。

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…本題に入る前に30分経過。そろそろ書くぜよ。

制作と製作

ころもがつくだけでなにが違うのかって、明確な定義はしらないんだけど、ころもがつくと「プロデュース」してる感じがするなぁ、と思っています。制作とプロデューサーってどう違うかってよく聞かれるし、議論もあろうと思うのだけど、一番の決め手は「プロデュース」してるかどうか、つまり、生み出して前進させているかどうか、なんじゃないかね。produceって「生み出す」、「前に(pro)導く(duce)」だもんね。

時間堂以外の現場では、私はプロデューサーを名乗りません。何かを成し遂げたい誰かがいて、実現のための段取りをする。ゼロから何かを生み出すのではない、企画や目的が先にある、つまり、私の仕事はコンサルティングやサポート、あるいはアウトソーシングの請負なわけです。

逆に、時間堂ではプロデューサーなので、プロデュースする役割なんだけど、うーん、前回のnoteに偉そうなこと書いといてアレですけど、なんか私、時間堂でもやっぱり「前に導」いてはいないし、「ゼロから何かを生み出す」仕事はあんまりやってないなーて思ってます。

初めてのツアーも、スタジオ所有も、レパートリーシアターも、公演も、ワークショップも。

誰かの「やりたい」が先にあった。つまり、私は、ほんとはプロデューサーじゃないんじゃないか疑惑。

こいつは困りましたな。アイデンティティークライシス。

だからどーすんだって、絶賛迷子ですなう。

続きはまた来週。たぶん。

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