ソ連崩壊後のロシア(1990年前後)
ロシアとウクライナ戦争を考える前に基礎知識を得よう
伊藤貫氏が2022年11月に公演したときの話をLizzyNewsチャンネルさんが動画にしてくれていますので、ご覧ください。
1:21:00付近から
講演内容を文字で切り出した内容で投稿しています。
ロシアの民主化が酷い有様
(ソ連崩壊後のロシアは、エリツィン大統領のもとで民主化が進められました。)
国有財産の払い上げで大儲けしたのは、ロシアとイスラエル国籍を持った二重国籍者だった。
それをやらせたのが、ゴールドマンサックスのロバート・ルービン。
50兆円や70兆円と言われる大量の利益が、民営化すると言って二束三文で膨大な額の資源をイスラエル国籍のロシア人に売り渡して、何ヶ月か何年かして売り捌くと何千億円にもなった。
その資金の多くがイスラエルに流れ込んで、イスラエルの次はウォール街に流れ込む。
アメリカがやった詐欺を証言する者
1999/9月、CIAのロシア担当官のトップでアメリカのNIC= National Intelligence Council(国家情報会議)という情報機関の議長の立場にあったフリッツ・エルマートが議会で証言した内容
CIAのトップで国家情報会議の議長が証言している。
C-SPANというケーブルチャンネルで議会証言が残っている。
1987年のロシアの成人男性の平均寿命は67歳だった。
1997年には57歳になってしまった。
戦争でもないのにこれだけ縮むということは、どれだけの人が餓死や病気で死んだか。
当時の記録では、ロシア国民の83%が病気になっても薬を買えない、医者に行けない状態であった。
1990年代後半には、医療だけではなく国民年金も停止された。
ですから栄養失調でバタバタと亡くなっていった。
フリッツ・エルマートがさらに証言した内容
米ロ関係はこの時からおかしくなっている。
アメリカのメディアは黙認
スティーヴン・コーエン(リベラルな民主党員)というロシア学者がいるが、彼の話では
スティーヴン・コーエンが、ニューヨークタイムズやワシントンポストなどマスコミの酷さを指摘すると、アメリカの大新聞は二度とコーエンの評論を載せてくれなくなった。
共和党ブッシュジュニアもNATO拡大路線
パパブッシュがソ連と約束したNATOの東欧拡大はしないという約束でワルシャワ条約機構を解体したのに、クリントン政権は約束を反故にしてNATOを拡大し、ブッシュジュニア政権は2008年に「グルジアとウクライナをNATOに加盟させる」と発言した。
ロシアからするとウクライナにNATOが入ってくると身動きできない。
グルジアとウクライナはロシアと300年以上も混在で生きてきた国々で親戚同士が多い地域。
西ウクライナ人は全く別の関係。
マイダン革命の裏で
オバマ政権になると、2014年にマイダン革命(尊厳の革命)が起こった。
これをやらせたのが国務省とCIAです。
西ウクライナを根拠とする右派セクターという右翼組織を焚きつけて、親露派のヤヌコーヴィチ大統領を失脚させた事件。
その後はウクライナを属国にして、すぐさまCIAとペンタゴンは将校を送り込んでウクライナ軍のNATO化、アメリカ軍の下部に所属する軍隊に作り替えていった。
軍事顧問を送り込み、アメリカ製の兵器、指揮系統、情報収集システムも変えていった。
そうなると、ロシアの安全保障は危機的な状態となり、東ウクライナに住んでいる1200万人のウクライナ人というのは、ロシアのプロパガンダではなく本当に親露派なのです。
ロシア語を話し、ロシア正教を信仰し、過去300年間、ロシア人と結婚したり親戚がいるし入り交じっていた関係。
しかし、西ウクライナの人々は本当にロシアを憎んでいる。
西ウクライナの人はロシアで生活したことがない。
過去500年間、ポーランドかリトアニア、オーストリアのハプスブルク帝国に支配されてきた人たちで、ロシア正教ではなくウクライナ正教かカトリックなわけです。
西ウクライナ人はロシアを憎むが、東ウクライナ人はロシアを親戚だと思っている。
マイダン革命(尊厳の革命)に関する詳細
ここでは筆者の調べです。
マイダン革命(尊厳の革命)が起こった原因が国務省やCIAであるという伊藤貫氏の話でした。
ジョン・マケイン共和党議員とビクトリア・ヌーランド国務次官補がマイダン革命に関わっているようです。
下記サイトで詳しく説明しておられる方がいらっしゃいます。
※ このサイトから「ウクライナで何が起こっているのですか?」というサイトリンクがありますが写真が残酷すぎて耐えがたいですのでご注意願います。
アゾフ連隊が2014年以降にウクライナ東部で行ってきた行為です。
今回のウクライナ問題の直接の背景は2014年ウクライナ騒乱(マイダン革命)
ソ連指導者の失敗
この東ウクライナ人をウクライナにくっつけたのはレーニンだった。
レーニンの母親はユダヤ人。
東ウクライナ人は、ロシア革命のときにものすごく抵抗した。
この地域はコサックも多い。
コサックもトロツキーやレーニンに反抗した。
彼らを処罰するためにロシアから切り離した。
西ウクライナはスターリンが余計なことをして、西ウクライナをウクライナに入れてしまった。
西ウクライナはポーランドにくれてやれば良かったのに。
(母親はマリア・アレクサンドロヴナ・ブランク。
マリアは裕福なドイツ・スウェーデン系の母と、ユダヤ系ロシア人の父との間に生まれた。)
ジャック・マトロックの論文
ジャック・F・マトロックはアメリカの駐露大使(1987-1991)だったが、彼の論文では、
要するに、ウクライナという国境の線を引いたスターリンがおかしいのであって、それを(西側が)ウクライナの民主主義のためとかウクライナ独立を支援しなくてはいけないとか、もっともらしい嘘の理屈でロシアを追い詰めていって今回の戦争になっている。
キッシンジャーやミアシャイマーは、そんなことは止めたほうが良いと言っている。
ウクライナ人民共和国(1917年11月22日から1920年11月10日にかけてウクライナに存在した国家)
アメリカのロシア崩壊のシナリオ
アメリカ政府の内部には、このままロシアを崩壊させてロシアを5つくらいに分裂させたいと考える勢力がいる。
そうするとロシアは酷い状態になる。
彼らはそういったことを平気で考えている。
核攻撃も辞さない構えのロシア
プーチンがクリミア半島か東ドンバス地域(東ウクライナ)から追い出されることになれば、プーチンは戦術核を使うと言っている。
ロシアの外交官も軍もそう考える。
バイデン政権のブリンケン国務長官、サリバン安全保障補佐官は、「ロシアが戦術核を使ったならNATOの通常戦力でロシアの通常戦力を叩きのめす」と言っている。
2正面作戦が出来ないアメリカ
しかし、ロシア軍は30年前から言っているが、「NATOの通常戦力とロシアの通常戦力が衝突するなら、ロシアはNATOに対して核兵器を使う」と言っている。
そうなると第三次世界大戦になる。
クリントン政権の後半期からは、実はアメリカは2つの大国と同時に戦う能力を持っていない。
2015年になるとオバマ政権は公式に認めて、中東かヨーロッパ、東アジアで戦争に巻き込まれた場合、その戦争に集中することが能力であって、他の地域で戦争になればアメリカは手を出せない。
ロシアウクライナ戦争が拡大し、NATOとロシアが衝突すると、中国は台湾を獲りに行ってもアメリカは出てこられない。
習近平は日本の自衛隊に核恫喝をしてくるが、アメリカはそれで動くことはない。
ウクライナでやらなくてもいい戦争を始めたことで、来年(2023年)にはロシアとNATOが正面衝突して、日本は終わりです。中国の属国になります。
もし、日本の防衛省、外務省、自衛隊が本気ならば、キッシンジャーと同じように「一刻も早く停戦してほしい、拡大しないでほしい」と言わなくてはいけない。
なぜなら、日本の存続に関わるから。日本だけが核抑止力を持っていない。アメリカのせいで我々は核抑止力を持っていない。非常に脆弱な立場に置いておいたのはアメリカだろう」と言うべき。
エピソード(伊藤貫氏の講演の3週間くらい前の話)
ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相はドイツへ行って、アンゲラ・メルケル前首相と会談。
メルケルは「私が首相ならこんな戦争はやらせなかった。」
メルケルは2015年にミンスク2の協定を結ばせた。
これはドイツ、フランスが介入した、ロシアとウクライナの停戦協定。
東ウクライナのドンバス地域の自治権を認めてウクライナを中立国にしておくという話。
これはとても良い案です。
メルケルは、ロシアとNATOの衝突を避けるために苦労して作った協定なのに、アメリカのネオコンと西ウクライナの馬鹿な右翼がそれを潰して戦争を始めてしまった。
今のショルツ首相は何も分かっていない。
西側には少数派ですが、メルケルやキッシンジャーのような「こんな戦争は止めるべき」と言う人がいる。
2023/2/23 追記
ミンスク合意は嘘
それでもロシア崩壊を望む輩
欧州とアメリカのエスタブリッシュメントは、結局ロシアを潰したい。
その結果がどうなろうと潰したい。
私はきっとろくなことにはならないと思うが。
この馬鹿さ加減は第一次世界大戦と同じだった。
オーストリアの皇太子が暗殺されただけで何千万人も死ぬような戦争を始めた。
全く不必要な戦争を始めたことがきっかけ。
私はワシントンに住んでいるが、クリントン、ブッシュ、オバマ、バイデンがロシアを虐めたがるのが分からない。
確かにロシア人は野蛮な奴も多いが、ロシアなりの魅力ってあるはず。
私は若い頃、ロシア文学も好きだった。
2003年のイラク戦争も全く不必要だったのに始めた。
それで百数十万人が亡くなった。
オバマは、リビアを空爆してカダフィ大佐を殺して、内戦にして80万人が亡くなっている。
シリアのアサドがシーア派だから、アメリカはISIS(スンニ派)に軍事援助し、80万人程度亡くなっている。
アメリカはシリア、イラク、アフガニスタン、リビアでも、アメリカの愚かな外交政策や軍事政策で何百万人も亡くなっているのにケロッとしている。
いったいどうなっているのか?
それを指摘しない日本のマスコミ人はどうなっているのか。
もっと言うと、東大、京大の保守派の先生たちはなぜ批判しないのか。
唯一の例外は、東大の松里さん。
「ロシアウクライナ戦争はおかしい」と言っている。
他の人はロシアを擁護すると評判が悪くなるので言わない。
オーストリアの皇太子がセルビア人に暗殺されたサラエヴォ事件が発端。
個人的感想
以前に投稿したロシアの論理
ロシアが西側とどんな歴史があったのかはご理解頂けたでしょう。
そして、マイダン革命の詳細で触れた残酷な殺戮。
伊藤貫氏の言うとおり、元々の西ウクライナ人と東ウクライナ人は全く異なる世界で生きてきた人たち。
東ウクライナ人はロシア人も同然です。
それをアゾフ連隊から守ろうとしただけのプーチン大統領。
ドンバス地域の動画撮影の投稿をしていた現地の女性の話が悲しいですね。
たしかに、第一次世界大戦後のロシア革命におけるドンバス地域などの東ウクライナ人をレーニンがロシアから切り離してウクライナにしたのは間違いでしょう。
ロシアのプロパガンダは確かにあるのかもしれないが、ドンバス地域の惨状は今回のロシアウクライナ戦争とは違う景色のようです。
日本もプロパガンダで溢れていますよね。
報道されないことが多すぎます。
アメリカの属国だからでしょう。
ソ連崩壊後のロシアで起こった、アメリカ人による搾取に始まった感もあるロシアウクライナ戦争。
これで怒らないロシア人はいないと思いますが。
日本人はロシアが一方的に悪だと見ています。
これまでの経緯を考えると誰が真の悪なのでしょうか。
ご存知でしょうか?
アメリカの俳優、スティーヴン・セガールは2016年にロシア国籍を取得してプーチン大統領と懇意にしています。
彼の映画は大好きです。正義の味方で腕っ節が半端なく強い。
合気道の達人ですが武道ということでは人道も重んじる方でしょう。
親日家で藤谷美也子と婚歴があります。
父はユダヤ系でモンゴル系ロシア人のようです。
なぜロシアに行ったのかが不思議でしたが、理解できました。
耐えられなかったのでしょう。
日本人は未だに平和ボケしている人が多いです。
アメリカの属国となった日本は、核を持たないウクライナと変わりないのです。
戦争になれば悲惨なことになるかもしれません。
何が悲惨って、殺戮の可能性だけではなく、アメリカによって自給率が極端に低くされてしまったことで、戦争が始まれば海上からの輸入は止まるのです。
時間の問題で餓死者は続出します。
アメリカが守ってくれると思わないほうが良いです。
沖縄の米軍は密かに縮小の方向になる可能性が高まっている状況ですのでいざとなれば引き上げるでしょう。
そして、中国との戦争が始まるのは時間の問題ということも理解していない日本人が大半です。
メディアはこの危機を分かっていながら報じないのだから最低ですね。
いや、理解していないのだろうか?それとも理解したくない?
我々日本人は、よく考えなければなりません。
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