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ピアノの練習は楽しい ピアノ練習はイヤだ
地方の山の中でリトミックとピアノをレッスンをしています。
ピアノを教えるのが大好きです。
子どもたちに耳と心をかたむけてもらえるレッスンを心がけています
どうぞよろしくお願いします。
ピアノレッスンを始めるともれなく付いてくるもの
それはおうち練習。
長くお子さんにピアノを習わせているご家庭であれば一度ならず「これで大丈夫なの?」「毎回言われないと練習しないのは好きじゃないから?」なんて心配になってしまうこともあるかと思います。
ピアノの自宅練習に毎日つきっきりで…というのは現実問題なかなか大変なこと。
いずれば成長に伴い任せるところは任せたいところです。(このあたりはまた別記事でまとめていけたらと思います)
本日は
ピアノっ子さんたちとの自宅練習との関わりの中で
お父さんお母さん方のモヤモヤやご負担が少しでも軽くなったらいいな
本気でそんな願いを込めて、少しだけ深掘りしてみたいと思います。
良くも悪くもその鍵となっているものとは?
それは子どもたちの「楽しい」「やる気」という概念。
楽しいとやる気
子どもたちから感じられた日は見ているこちら側まで幸せな気分になります。
ただし
これはそもそも相当ムラがあるものである
このくらいにとらえていただいていると丁度よい塩梅な気がします。
どんなにその時盛り上がっていても、日々どんなに良質なレッスンを受けていたとしてもです。
なぜなら
人は何事にも慣れるし
何より成長していく生き物だから
慣れれば前よりトキメキは減ってしまう
成長すれば、ピアノより大事なものだって出てくる
その結果どんなに好きなピアノでも、
「あーなんか練習めんどう」という感情となって日常的に現れてきます。
それも案外頻繁に。
こうしてざっくりと子どもの未来を描いただけでもピアノへのモチベーションは少なくとも年単位で揺れるものであることがわかります。
そしてなぜこの当たり前のことをあらためて取り上げるのか
それは同じく親である私が一番忘れてしまうことだからです。
いざ、子どもがつまづいたり立ち止まったりしている様子を見るとそれが一時的なものだと感じられなくなってしまう。
子どもたちのやる気が下降気味(低空飛行)な時は
「前はあんなに頑張っていたのに」
「練習しないならやめなさい」
など普段なら軽はずみには言わない言葉も思わず口にしてしまいがちです。
でもこの状況は
一時的なものであり、ずっと同じではないこと
また上がってくるものであること
この前提を意識するだけで見守る側の私たちもずいぶんと心が軽くなります。
やる気のグラフの最初に訪れる「底」。
この最初の下降した先で
周りであきらめムードになったり、向いていない?練習がなかったら楽しいんじゃない?と振り切ってしまうのは時期尚早かなという気もします。
わたし自身も学生の頃はちゃんと色々な時がありました。
すぐに出来ない時はきっとプンプンした顔をしていたと思います。
母も気づかないふりをして気づいていることもたくさんあっただろうし。
プンプンしているからピアノが楽しくないわけじゃないし、なんだか練習が続かない日も辞めたいわけじゃなかった。
『〇〇はさ(私の名前)ピアノ教えているくらいだから小さい時基本真面目でさ、練習あっても頑張れたんだよ。そうだよ、ピアノの先生って、ある意味みんなが真面目だからさ。練習嫌いの子の気持ちはわかっているようで分からないのかもよ」
こんな風に遠い昔友人に言われたことがあります。
その時ものすごく納得できた反面、
家に帰ってからそうでもなかった出来事を一つ一つ掘り起こしていた自分もいました。
確かに友人の言うとおり弾くことや歌うことがとてつもなく好きだったけれど、やる気のアップダウンは当たり前にあったし、練習を休みたい日だってあった。
まあでも
そんなことがあって今この仕事ができていることは良かったのだと思う。
レッスンの向こう側の人に想像力を働かせやすくなるからだ。
きっと何の仕事でもそうなのだろう。
子どもたちのやる気が下がった時 何が起こっているのか
「今練習中の曲が苦手だから」イヤになってしまっているのか
それとも
ピアノ(を学ぶこと)そのものがイヤなのか
この2つがごっちゃになってしまっていることが意外と多いです。
また、それぞれの事情でいつもより練習が進まなかったことを気にし過ぎてしまっり、さらには「先生に何て言おうかな」なんて考えただけで気が重くなっている場合も。
練習できていないことからの二次的な思考です。
これらは意外と対策ができるのですが、
見落とされ、ただただ「練習嫌になっている人」認定されてしまっている場合が全国的に多いのではないかと感じています。
〝甘やかしとは違う、今目の前の子が切り抜けて先に進めるための対策〟
考えていきたい場面です。
ピアノ教室を使い倒す
教室の子どもたちは比較的淡々と(ひょうひょうと?)レッスンに通ってきてくれています。
とはいえ、長いお付き合いの過程では様々な変化を目にすることだってあります。
レッスン大好きさんなのにおうちに帰ってからの練習は苦手だった子。
小さな頃とは別人のようにせっせと練習に励むようになって気がつけばショパンが弾けるようになっていました。
ずっとピアノ一筋、練習はコツコツ型だった子が、あっさり部活一本にしぼったり
(これも一つの選択♪こんな時は心からのエールで送り出しています)。
受験を機に辞める子も両立する子も、休んだ後戻る子も
本当に色々なのです。
レッスンに長く通ってきてくれる子たちがとても多い教室ですが
それでも
☆それぞれが多かれ少なかれ小さな壁があったり、時に立ち止まったりしながらであるということ
☆毎年のステージもみんなとても輝いているけれど、
そこまでにはそれぞれのストーリーがあるということ
これらは機会があったら一度お伝えしたかったこと。
小さな壁にぶつかっているような時は
〝「晴れの日も曇りの日もある」くらいに見守り、状況については軽く教室に知らせておこう〟
正直このくらいだと同じくピアノ練習をする子を持つ親のわたしなどはとても気が楽です。
どんな先生でも、練習量は想像できてもおうち練習の時の表情や様子まではつかめない。
ですから教えていただくととても助かります。
むしろ、習い事が多くてなかなか練習時間が取れない場合などはどんどん練習方法を聞いてみると良いかと思います。
本人がきっぱり辞めたがっている場合はまた別の話なんですが。
そうではなくて、なんだかモヤモヤしていたり、思うように練習が進まない時はその子に合った対策ってある気がします。
生徒たちにも話していますが、教室を使い倒してください✨
そして
お母さんが忙しくて大変な時やしんどい時はよかったら教室に言ってください。
先生なのに…って言われてしまうかもしれませんが
私も困った時はお母さん方に相談するようにしています(笑)
ならば教室は何をしようか
ここまで自宅練習と子どもたちのモチベーションの波について触れてみました。
教室でもレッスンは日々手探りです。
何年レッスンしていても慣れてはならんと思いながら過ごしています。
今年も園児さんから高校生まで本当に幅広い生徒たちがレッスンに通ってきてくれています。
何を面白いと感じるか
何で楽しいと感じるか
何ならもうちょっと頑張ってみようと思えるか
人それぞれですし、年齢や置かれた環境でも違うから
日々探す。
レッスン中も探す。
この椅子は
ピアノが上手になりたい人やピアノで人生を楽しくしたい人が座るんだ。
だからあなたもそう感じているならまたレッスンに来るといい
これは教室から生徒のみなさんに時々話していることでもあります。
何だか具体性に欠けるメッセージともとれますが、
不思議と子どもたちが自分ごととして考えるきっかけになるようです。
小さなうちは鍵盤だけでなく、ピアノから離れてステップを踏んだり、曲のタイトルから連想ゲームをしたり、イメージから描いてみたり。
一つのことも様々な角度から見せることで、すぐに覚えてくれるし、やってみようと思えるみたいです。
また楽譜を大切に扱うことを伝えつつ、私は年長さんくらいから楽譜への書き込みも時々してもらっています。
これはレッスンしたポイントを子どもたちがが再確認できるとともに、レッスンの主人公は自分であることを自覚してもらうことにも役立っています。
レッスンはピアノが上手になるためにあるのだけど
ただただテクニックを渡すことではない。
受け取ってもらえるようにわたしたちも考えて工夫を続けることなんだと思う。
おそらくわたしも生徒たちと一緒。
あまり一喜一憂せず、時には立ち止まりながら
ガチガチでない程度に、自分の心と体も大切にして
まだまだ日々模索していきたいと思っています。
当たり前みたいなことをあらためて並べてること、
光が当たっていない面もお話しすることで
世の中のピアノっ子さんたちを応援していただいているお父さんお母さん方に
少しでも
『うちの〇〇もこれからだ』
と感じていただけたら幸いです。
音楽って楽しいものなんだけど
楽しいだけじゃ上達はしない。
でも、そうなんだけど、それはわかっていても
前向きに、なるべくなら楽しんで学んでほしいのが親心(わたしはそうです💦)
その子その子で合った教室で
子どもたちみんなが
心も元気に、可能性を伸ばしていけるよう願っています。
受け取ってもらえないと何も始まらない。
導けないと良い芽も伸びない
そう言い聞かせながら
今日もドラえもんのようにあっちこっちから色んなアイデアと方法を引っ張り出す。
ピアノであなたの人生が楽しいものになるように
ピアノを、音楽を
限られた子だけが伸びていける習い事にしてしまわないように
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