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老風満帆

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医者になって半世紀。  はじめの3分の2は産科医として飛びまわり、そのあとは老人医療 にも携わってきた。 「揺り籠から墓場まで」を実践する人生行路であった、と振りかえれば……。 …
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記事一覧

佞武多つれづれ

 我ら津軽衆にとって、夏祭りと言えば佞武多。  武の読み方が、青森と弘前で違う。  ぶ(…

歌会『つきかげ』

 斎藤茂吉は1953(昭和28)年に七十歳で亡くなっている。  その最終歌集『つきかげ』…

「医師脳の短歌狂騒曲:診察室から詠む人生の詩」

 医者とは、ある意味で客商売かもしれぬ。  そのうえ、看護師や事務スタッフへの気遣いも欠…

子宮頸がん検診を受けよう

ナースらは「お爺ちゃん先生」と陰で呼ぶ。そを聞く吾(わ)はまだ七十六歳(しちじふろく)な…

爺医はダンディに!

 この世で「いちばん幸福な状態」とは? 「たえず有益な活動を続けられることであり、いきい…

苛々(いらいら)想起

「智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地(いじ)を通せば窮屈だ」―…

「97歳医師」にあやかりたい

 東奥日報紙面で「97歳医師まだまだ現役 岩男外科皮膚科医院・鈴木院長」という見出しに目が奪われた。 「患者がいる限り続けていきたい」と話す鈴木岩男先生の写真から、とてもそんな年齢は感じられない。  記事を読むと、注射も自分で打つというから驚かされる。  X(旧ツイッター)では、歌手の矢野顕子さんが「わたしの叔父です」と呟いていた。  青森県保健統計年報「医師・歯科医師・薬剤師数、年齢(10歳階級)別及び平均年齢」をみると、医師数は2505人(2010年)から2631人(2

西暦二〇四八年の医療

 カーツ・ワイルの唱える「シンギュラリティ」とは、技術進化のスピードが無限大になることら…

団塊の二粒

 2024年5月6日は、われら団塊の二粒にとって、51回目の結婚記念日になるはずである。…

いちばん幸福な状態

 書斎の窓際にお役御免となった3台のパソコン。いずれもウィンドウズ10以前には活躍してい…

喜寿の朝

あけましておめでとうございます。 老いたせいか、一休宗純の作とされる狂歌「門松や冥土の旅…

我が残日録

命の関守石

 広辞苑によると、関守石(せきもりいし)とは「茶庭の岐路に蕨縄(わらびなわ)で十文字に結…