「医師脳の短歌狂騒曲:診察室から詠む人生の詩」
医者とは、ある意味で客商売かもしれぬ。
そのうえ、看護師や事務スタッフへの気遣いも欠かせない。
「こう言われたら、相手はどう感じるだろう?」と、常に考えて行動しているつもりだ。
だが、生身の人間である。
イライラが高じて、腹立ちまぎれに発した一言がもとで大騒動となり、その解決に大変なエネルギーを要した経験はないだろうか。最初に受けたストレスは、何倍にも膨れ上がって……。
『徒然草』の第十九段に、吉田兼好もこう記している。
「おぼしきこと言わぬは腹膨るるわざなれば