2021年8月その4 探偵も驚きの調査結果

自分史上、最悪の夏。とんでもないことが起こった。

夫が出て行った

お盆に差し掛かる前の月曜日の朝、夫はスーツケースに服を詰めて、出て行った。もちろん別居には同意していない。
早朝にこそっと出て行った。
どういうことなのか？
勝手に別居を始めたのか？
女とどこかに泊まっているのか？
旅行にでも行ったのか？
私は混乱した。娘には平静を装ったが、正直おかしくなりそうだった。

母親失格

探偵にいつ調査してもらおう？ってことで頭がいっぱいだった。
一刻も早く証拠を取りたい。
このまま証拠がないまま別居されると困る。

毎日、探偵のHさんに長々と電話していた。仕事もそっちのけだ。
「お盆でどっか行ってる可能性もあるから、お金かかるし、今週はやめたら？」と言われた。
それでもどうしよう、どうしよう。とごちゃごちゃ言っていた。
するとHさんに
「・・・・あのさ、悪いけど娘さんのケアはしているの？
母親が探偵のことばっか考えて、スマホばっかり見てたらどうなる？
絶対伝わるはず。娘さんの手を放しちゃダメ。それでだめになった子をいっぱい見てきたのよ。女の子は落ちると、すぐにとんでもないところまで落ちるよ。今週は休みなさい。」と言われた。

ハッとした。本当にそうだ。私は何をやっているのだ。
何よりも大切で、大好きな娘を不安にさせているに違いない。
中学生になって初めての夏休みなのにどこにも連れて行ってあげていない。
辛くて、夜も早くベッドに入ってしまっている。眠れてはいないけど。。。
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。母親失格だと思った。
こんな風に叱ってくれるHさんに出会えたことに感謝した。

その週は、帰ってこない夫のことはいったん忘れて、プール付きの近場のホテルに2人で一泊で急きょ行くことにした。
2人で、思いっきり楽しんだ。2人きりでお泊りしたのは初めてだった。
娘ははしゃいで、いっぱい食べて。本当に楽しそうだった。
去年まで小学生だったんだもんね。
本来はこういう天真爛漫で無邪気な子なんだ。
あんなに受験も頑張って合格したのに。
こんな夏休みでごめんね。

今の娘の笑顔は今しか見れない。
こんなに素敵な笑顔を見ずに、夫は何をやってるんだろう。
本当に大バカやろーだと思った。

私がこの子を絶対守る！絶対素敵な女性に育てる！

プールサイドで、寝転んでビールを飲みながら真夏の空を眺めて心に誓った。

再びの空振り

5日間ほどで、夫はふらっと帰ってきた。
私はどこに行っていたのか？とも聞かず、夫も何も言わなかった。
私たちの会話はほぼゼロになっていた。

夜、PASMOの履歴見た。しかし、どこにも行っていないようだった。会社付近で泊まっていたのか？謎だった。
その週の金曜日の朝、夫が「今日は帰らないから」とだけ言って出て行った。

は？

即、探偵にその日夕方からの調査を依頼した。

夫は、その日の夕方、会社を一人出て、急ぎ足で、デパ地下でお寿司とお酒を買い、１人で都心のとある駅のビジネスホテルにチェックインしたという。

１人でホテルに泊まる。
何で？女と一緒ではないのか？それじゃ意味ない。
またまた空振りしてしまった。
次の日の朝、チェックアウト時に調査してもらおうとも思ったが、チェックインを撮れていないので、言い訳をされてしまう可能性もあったため、翌日の朝の調査はやめておいた。
のちにこの日になぜ１人でチェックインしたのか分かったのだが、再びの空振りに私はダメージを受けた。

偽りのコロナ禍の出張

再びの空振りから、10日ほど経過し、私の精神状態は限界に近くなっていた。自分史上最悪の夏の8月も終わりそうだった。

世間ではコロナの勢いが収まらず、様々なイベントが中止、延期というニュースが毎日のように流れていた。
そんな中、夫が朝、「明日、地方でイベントがあるから、今日のうちに移動して泊まるから帰らない。」と言い残して出て行った。
私は聞いた瞬間、即100%ウソだと思った。
こんな緊急事態宣言が出そうな時期にイベントを開催するはずがない。
なんて下手なウソなんだと思った。
もっとマシなウソつけよ。失礼だ。
雑すぎ。

今日しかない。
迷わず、探偵にその日の調査を依頼した。空振りが怖かったけど、
なぜかこの日は自信があった。絶対に女と泊まるはずだ。
当日の依頼は基本受けてないんだけとね、と言いながらも、
Hさんは受けてくれた。
朝一で探偵に依頼してから、夕方までそわそわしながら過ごした。

夕方、調査担当の探偵O氏から連絡。

「ご主人が女性と渋谷のホテルにチェックインしました。」
相手はやはり、7月に途中駅で朝待ち合わせた、同僚と思われる女。
間違いありませんと言う。
やっぱり地方なんてウソだった。

ありがとうございます！！！！！涙

もう、最大級のありがとうございます。を何十回も言った。
ホントに涙が出るほどうれしかった。
普通、夫が不倫相手とホテルに行ったのだから、
悲しむのだろうけど、違った。
もう歓喜に近い状態だった。
やっとこの不倫されていることが確定なのに、
証拠がない、相手がわからない宙ぶらりんな状況から脱出できる喜びだ。
明日の朝、ホテルの前で調査を再開してもらうことにした。

探偵も驚きの調査結果

明朝、9時ごろ2人がホテルをチェックアウトしたという報告が探偵O氏からあった。
「ちゃんとチェックイン、チェックアウト、服装が２人とも前日と変わっていることも撮影できています。」とのこと。最低限の目的は達成された。
不貞行為の証拠が撮れたのだ。これが、どんな大きな意味があるものなのか、のちにわかることになる。

2人がこの後どこに行くのか、続けて調査してもらい、次の行先によってはそこで終了しようと考えていた。

しかし、そこから、それまでマメだったO氏から報告が途絶えた。
1時間たっても、２時間たっても連絡がない。ちょっと心配になってきた。