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2021年8月その1~初調査と再び探偵探し



「今日遅くなるから」と言われたある月曜日の夕方から調査をすることにした。当日契約してしまった探偵A社である。そもそも自分の予定なんか言わない夫がわざわざ遅くなると言ってくるなんてあやしい。
ゴルフの日は、GPSを車に付けておけば、ゴルフ場に直行できます!とA社の担当に言われたので、当日判断することにした。

探偵A社に不信感

調査当日、携帯のLINEに実際の調査する人から、連絡がきた。
しかし最初から違和感を感じた。
実際の名前を名乗らないのだ。
「A社の鈴木です。」その「鈴木」の部分の個人名を名乗らない。
LINEに登録されている名前も「A社」という会社名だ。
電話でも「A社です。」と言ってくるので
A社のどなたですか?お名前は?と聞いても「A社です」としか名乗らない。
理由を尋ねても、「そういうことになってます」という。
誰やねん?

めっっっちゃくちゃ怪しいんだけど。。。
という気持ちだったが、もう調査当日だったので、続行した。
当日、主人の会社の前で、18:00から調査を始めた。
30分経った頃、主人が出てきたが近所のコンビニで、お弁当、酒を買って会社に戻ってしまった。

見事な空振り。。。
10時間30万円の契約で、移動で1時間、最低契約時間3時間。
この空振りで、4時間を消費したことになる。
12万円を1夜で溶かしてしまった。
しかも超絶怪しい。

この精神状態での空振りは本当にこたえた。
この探偵会社のシステムで、調査をするのは破滅を招くなと思ったし
不信感もあったので、もうこのA社で調査するのはやめようと思った。
残り、6時間分しかないし、その6時間で証拠が取れるとは思えない。
後々、大モメしたのだけど、その話は後日。

当時はとにかく別の探偵探さなくちゃ。の一心だった。
とにかく、決定的な証拠を取りたい。
相手の素性を突き止めて慰謝料を請求して制裁を加えたい。
当時の私にはそれしかなかった。
再び探偵巡りの旅に出た。

話せる人が誰もいない

自分に起こっている出来事いついて、誰にも話すことが出来ないで探偵を契約してしまった私。

友達。友達はいないわけではないのだけど、いきなり電話してこのヘビーな話をする関係の友達は思い浮かばなかった。あと、自分が冷静に話せるか自信がない。無理だ。

母親。うつ病になる前の母だったら、相談していたと思う。でも今相談したら、もっと病んでしまうかもしれない。したかったが、できなかった。

兄弟。昔から迷惑かけられてばかりだった弟たちとは疎遠で連絡も取っていない状況で相談なんかできなかった。

頼るのが苦手っていう長女気質もあると思うけど、この種の話をすぐに相談できる相手がいればよかったなと思う。普段からの人付き合いの下手さが出てしまったが、今さら急にどうすることもできない。でも誰かに話を聞いてほしくて仕方がなかった。

よくわからない、ネットで見つけたNPOの無料相談に電話して、二重に騙されそうになったこともあった。
直前で、これおかしいよね?って気が付いたけど、変な探偵を紹介されそうになったので、着信拒否したり。とかおいおい、何やってんだ。っていう。
意味不明だ。

弱っている時、本当に自分でも信じられないような行動をとってしまう。
冷静になることがとにかく大事。弱っているときに無理に動かないことも大事だなと後から思った。メンタルを整えてからではないとさらに大ケガをしてしまう可能性大なのだ。

しかし、私は誰の客観的アドバイスも受けていないので、もう精神的に崩壊寸前なのにもかかわらず、立止まることが出来ず、昼夜を問わず探偵の情報を探しに探しまくった。仕事中も関係なくとにかく検索しまくった。頭おかしかったと思う。
 
 その中で、1つの探偵事務所に行きついた。
 この探偵事務所と出会ったことで、担当のHさんに出会った事によって
私は本当に救われることになった。出会っていなかったらどうなっていたことか。

探偵会社Bとの出会い

その探偵事務所は探偵社B。 
首都圏にいくつか事務所を構えているがあまり広告を出していないせいか、あまり名前を見たことがなかった。
 
 眠れなくて、朝方ベッドの中で布団をかぶって検索していて、意識がもうろうとする中で、このB社を見つけた。あまり広告を出していないようだと言ったが、あるキーワードに引っかかった。詳しくは伏せるが、経営母体もしっかりしている(これが一番惹かれた)、料金システムもわかりやく誰にでも見れる状態でわかりやすく説明されている。HPもいかがわしくない。これだ!と思った。

 朝ベッドから出て娘が学校に行き、営業開始時間、10時ぴったりに、そのB社に電話してみた。落ち着いた声の女性Hさんに、一気に事情を話した。私の勢いに、若干引いたかもしれないが、Hさんは、親身になって話を聞いてくれ、一度、会って話しましょうという事になった。
 
 これまでの探偵の人と違って、表裏がなく、メリット・デメリットをわかりやすく話してくれる人だった。あと、経験豊富な感じがして何となくお母さんのような(失礼だけど)包容力があって、話しやすかった。とにかく誰かに話を聞いてほしい、という私の気持ちがそう感じさせたのかもしれないけど。
 
 電話をした、次の日か次の次の日に具合が悪いと嘘をついて、会社を休んで、朝一で探偵社Bへ面談に行った。とあるターミナル駅から少し離れた高層ビルにその事務所はあった。思ったよりもすごいオフィスで驚いた。探偵=雑居ビルの勝手なイメージ。
 Hさんは私より10個くらい年上の女性だった。電話で話した通りのイメージで、とても頼りがいのある人だった。
 
 まず、「あなたは、調査をしてどうしたい?離婚したい、慰謝料を取りたい、証拠は取って復縁したい、謝罪してもらいたい?いろいろあるけど。まずそれをしっかり決めること。」と言われた。
 
 どうしたいって、「女から慰謝料を取りたい。(旦那もろとも地獄に落としてやりたい。←心の中で言った)それから、離婚したい。」
 私の希望は明確だった。

Hさんは「そう。わかった。じゃあ、今日は契約しなくて大丈夫だから。自分の考えに、迷いがないかよく考えてね。」と言って見積もりを出してくれた。

 もうその場でお願いしたいと思っていたけど、A社でのしくじりがあったので、即日はやめて持ち帰ることにした。
 料金的には、A社とそんなに変わらないが、時間内で証拠が取れたら、残金は清算してくれる。
 当たり前だろ!と思うけど、探偵はパック料金で一度もらった金を返さないところが多い。
 だからパック料金は出来たら避けたほうがいいのだけど、私の場合は、主人の行動がまったく読めないので、時間がかかる可能性が高く、先払いしたほうが結果的に時間単価が安いので、パック料金の提案になっている。という事も説明してくれた。(もちろん、希望すれば時間単位で頼むこともできる。)
 一晩考えて、私は、このB社と契約をし、調査をすることにした。
ちょうど8月の初旬のことだ。こんなに辛くて、長くて辛い夏は生まれて初めてだった。

自問自答

 娘も無事に中学に入って、この夏は家族で昔みたいに海に行ったり、旅行して楽しめると思っていた。なので、余計に悲しかった。普通のことがどれだけ大切で幸せな事だったのか。と考えては胸が痛くなった。父親不在、母親は探偵探しでスマホ三昧。娘にも申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
 
 Hさんに言われた、「自分がどうしたいか?」を何度も自問自答した。
 まだこの時点では何の証拠を取ったわけではないのだから、調査なんかやめて、何もかも目をつぶれば?そのうち戻るかもよ?という選択肢を自分に何度も問うても答えは同じ。
 なし。もう後戻りはしない。できない。何も知らなかった自分には戻れない。戻る・戻れないことを決めるのは私。
戻れない。進むしかない。

この自分で考えて決める進むことが出来るかできないか。
進むことを決めたら、そのために何をやるか、また何をやらないのか。
取捨選択をしていく。

今思えば、この取捨選択、すごく重要だと思う。自分にとっての正解が他人にとっても正解とは限らない。自分で出した答えが正解なのだと今になっては思うけど
当時は辛すぎて、迷って迷って正しいかどうかわからないけど、自分の今の気持ちに正直な進む。ことしかできなかった。


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