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「グレート・リセット」ダボス会議で語られるアフターコロナの世界を読んだ元自衛官の感想

どうも、元航空自衛官で現在経営者のアッシュです。
題名にもしていますが、書籍を読みましたので元自衛官の目線から考えてみたいと思います。
若干内容に触れるので、あらかじめご了承お願いします。

まず、本書の内容をざっくり解説すると、人間は「相互依存、スピード、複雑性」の3つの力を強く受けているという話です。

相互依存とは、単体の自称が何かを引き起こす因果関係・相関関係にあるということです。
異常気象が起きれば、水・食糧危機が起き、限られた資源を奪い合うことも起きるでしょうし、感染症が広がることもあるでしょう。このように、単体の自称が独立していないという意味で、人間関係にも同様のことが言えます。
そのため、極端な個人主義は存在しなくなります。

次にスピードとは、テクノロジーの発展により変化のスピードが急速に上がっているということです。
これは一定の速度でスピードが上がっているわけでなく、ある時点で急に加速が起きます。
経験したことがない変化のスピードに多くの人が対応できなくなってしまうでしょう。

3つ目は複雑性です。
複雑に因果関係が重なりあっているため、ある事象が引き起こす未来を予想しにくくなっています。そのため、人間の知識や理解を超えたことが起きる頻度が上がり対策が立てにくくなります。

これら3つの力を受けて、個人への影響が出ると予想されています。
それは判断の優先順位が変わり、自分は何が大切なのか?という価値観で物事を判断していくと予想されています。

ここまでは、本書の内容になります。
では、自衛官で考えたときにどうでしょうか?
優先順位が変わり、自分の大切なもののためにという基準で物事を考えるとします。
現代においては地位とか名誉とか出世とかいう価値観が尊ばれなくなり、無価値になってしまいました。
例えば階級社会の自衛官で将官(将軍)まで登り詰めることが成功で幸せであるという価値観を持っている人は私の知る限り同世代に一人もいませんでした。
むしろ、そんなもののために住みたい都道府県に住めず、家族との時間を犠牲にし、自己の市場価値もつかない選択をすることはいかがなものか。という価値観の方が強くなっています。
このような優先順位の変化が起きた場合、変化のスピードについていけない自衛隊組織から人はどんどんいなくなっていくでしょう。
お隣の国はトップダウンで意思決定できる政治体制ですので、この変化のスピードに比較的対応できるでしょうし、ある程度強制力を持って統制できるでしょう。
意思決定速度のGAPは安全保障にとって重大な要因になることは間違いなさそうです。
このスピードの差は民主主義国家と封建主義国家の間で大きく開き、何も決められない民主主義国家が衰退する可能性が高いです。
現に、軍事力も中国、ロシアと日本では全く発展成長具合が異なります。
日本はいまだドローンを装備として活用できていません。
これはアメリカについても同じで、かつて最強を誇ったアメリカも今では中国とどちらが強いか誰もわかりません。

アフターコロナにおける変化は日本にとって向かい風になる可能性があるということ、一方で複雑性が大きく何が起こるか分からないということ。

この時代に我々はどのように生きるか、皆さんも考えてみてはいかがでしょか?

自衛隊の皆さん。
何十年も同じ訓練をしている場合ではありません。
変化にトレースしましょう。

では!

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