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9/17 ニュースなスペイン語 Repetidores:再履修者

所定の単位を修得出来ない場合、その単位を繰り返し学習する――。これを「再履修」というが、この当たり前の制度は、日本では通常、高校以上から適用される。

スペインは違う。

実は、スペインの「第二教育の前半(primera etapa de la secundaria)」―日本の「中等教育」に相当―と「第二教育の後半(segunda etapa de la secundaria)」―日本の「高等教育」に相当―の再履修率が経済協力開発機構(OECD)加盟国内でトップとの報告書がまとまった。

OECD平均が、中学での再履修率は1.9%、高校での再履修率は3%であるのに対して、スペインはそれぞれ8.7%と7.9%であるというから、めちゃくちゃ高い。

また、スペインの「学業挫折(fracaso escolar)」も高い。学業挫折は、いろいろな理由で義務教育(educación obligatoria)を終えられなかった(completar)ケースを指す。

25歳〜34歳の間で、いわゆる学業挫折で義務教育を修了しなかった人は28%に及ぶ。米国(6%)、カナダ(5.3%)、韓国(2%)のOECD加盟国と比べるとべらぼうに高い。スペインの上はメキシコ(46.1%)とコスタリカ(44.1%)がいるのみだ。

こうした「厳しい教育」の結果、いわゆる「nini」たちが増える。niniは「勉強も仕事もしない(ni estudiar ni trabajar)」の略で、日本のニートに当たる。niniたちにも言い分はあるだろうが、国としても、せっかくいる人材を活用できないのだから、大きな痛手だ。

厳しい教育の下、少数精鋭の人材を生み出すのも国策だが、もう少し自己肯定力を高める教育も必要だ。でないと、もったいない。

写真はOECD内の、15歳になるまでに、最低でも1つの単位を落としている割合。日本は堂々たる最下位だ。