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5/3 ニュースなスペイン語 Bipolarización:二極化

4日に控えたマドリード州知事選挙に関して、スペイン国営放送(RTVE)が面白い分析を発表した。とは言え、何か目新しいことが明らかになったのではなく、これまで、人々がおぼろげながらに感じていたことが可視化とともに実証された。

今回の州知事選挙のキーワードは「二極化(bipolarización)」である。端的に言えば、右派連合(bloque de la derecha)と左派連合(bloque de la izquierda)の戦いだ。

スペイン国営放送は、twitter(tuits)で発信されたメッセージをもとに、人々の関心や政治指向がどのように動いてきたのかを、4つの時期に分けて、分析した。

① 4月15日から20日の選挙運動解禁(inicio de campaña)直後では、主要6政党(スペイン社会労働党(PSOE)、マス・マドリード党(Más Madrid)、ポデモス党(Podemos);市民党(Ciudadanos);国民党(PP)、ボックス党(Vox))はそれぞれの立ち位置を守りつつ、独立していることが、グラフから分かる。ただ、PSOEとポデモス党、PPとボックス党に僅かな親和性が見られる。

② 21日のテレビ討論会(debate)は6党からの候補者が一同会した最初で最後の場となったわけだが、この討論会が放送された直後には、PSOEとポデモス党のかたまりにマス・マドリード党が合流する。市民党がやや右にずれた感があるが、まだ、独立性を保っている。

③ 22日から24日の間には、ポデモス党からの立候補パプロ・イグレシアス(Pablo Iglesias)の元に実弾が同封された脅迫状(carta con balas)が届いたり、この話を疑問視した(つまり、捏造したと断じた)ボックス党の候補、ロシオ・モナステリオ(Rocio Monasterio)との間に緊張が走ったりした。その結果、右と左にきれいに二極化した。ただ、市民党がまた、真ん中、つまり中道に戻った。

④ 25日から30日の間のtwitterの動きを可視化したのが、表題の写真だ。市民党から、または、市民党に、線が伸びているが、これは市民党と右派連合との間に何か親和性があると人々が考えているためだ。市民党が、右に行ったり、中道に戻ったりする他は、右派連合と左派連合は③を機に完全に固まったようだ。一方、市民党のブレも画像の移り変わりからよく分かる。

泣いても笑っても投票日まで残すところ1日。マドリード市民の審判いかに!?

写真はスペイン国営放送(5.3)より。「本局は真実であると認定する(Verifica RTVE)」とクレジット表記がある。