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2/4 ニュースなフランス語 Immangeable:食べられない

皆さんは、あのスペイン産の、いわゆる「バイオトマト」って召し上がったことありますか。まったく、食べられたもんじゃありませんよ(Vous avez goûté les tomates soi-disant bio espagnoles? C'est immangeable)。

随分、挑戦的な物言い。

一般人の立ち話なら、まだ、良いが、実は、これはフランスの政治家、セゴレーヌ・ロワイヤル(Ségolène Royal(写真))が先日、とあるインタビューのなかでも言った発言とされる。

つまり、公の場での、公人による発言。

日本でも報道されているが、今、フランス国内では、農作物の価格が下落したことや経費が急増したことによる生活苦などを訴え、国内の農業従事者らが大規模なデモを行っている。

欧州理事会(Concejo Europeo)の特別例会(reunión extraordinaria)に出席するためにブリュセルを訪問中のスペインの首相のペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)は、さっそく、次のように反論した。

我が国のトマトは無敵だ(el tomate español es imbatible)。

「Imbatible」は、もちろん、ロワイヤルのフランス語「食べることができない(immangeable)」を意識した形。

ロワイヤルはスペイン産のトマトをめぐるゴタゴタを「トマト戦争(guerre de la tomate;guerra del tomate)」と呼んでいるが、サンチェスとしては、軽くいなしたいところか。

ところで、このサンチェスの「imbatible」を使った返しに、はて、どこかで聞いたな、と古い記憶が、ふと、うずいたので、過去の小欄を確認してみたら、あった、あった。

2021年7月9日に、サンチェスは同じようなことを言っていた。

当時、肉の消費を控える声が一部の政治家から出たのだが、その際、サンチェスは、特大ステーキ(chuletón)を出されたら、それに勝るものはない(eso es imbatible)だとさ。

むむむ、imbatibleはサンチェスのお気に入りの常套句のようだ。

トマト戦争は続きそう。

写真はロワイヤル。

ロワイヤルは2006年に、初の女性大統領候補として、決選投票でニコラ・サルコジ(Nicolas Sarközy)と戦ったが、惜しくも、敗れた。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240202/agricultor-espanol-defiende-naturalidad-tomates-ecologicos-tras-criticas-francia/15954049.shtml など