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10/14 ニュースなスペイン語 Cinco detenidos:5人の逮捕者

バルセロナとマドリードの両市で、イスラム過激派と思われる5人(cinco presuntos yihadistas)が逮捕された。ただし、彼らには、まだ、「仮定の(presuntos)」という形容詞が付いているので、過激派と認定されたわけではない。

今回の捜査は、今年1月に実施された「アルバック作戦(La operación Arbac)」の後半戦(segunda parte)。1月には「イスラム国(Dáesh)」からの、いわゆる「帰還組(retornados)」を含む3人のイスラム過激派が逮捕されていた。帰還組とは、イラク・シリアの戦闘地帯(la zona de conflicto sirio-iraquí)で一戦交えてきた、筋金入りの戦闘員のことである。

今回の5人と1月に逮捕された3人はいずれもアルジェリア(Argelia)の出身。

この度逮捕された5人の内のひとりが首謀者(cabecilla, jefe)と見られている。1月の段階で、すでに、捜査線上に浮上していた人物だ。仲間からは「シェイフ(=長老)」と呼ばれていた。

シェイフは、スペイン入りしたばかりの、アルジェリア人の若者たちに対して、治安当局(Servicio de Seguridad)の目をかいくぐるための指示をアルジェリア国内から出していたとみられる。今年3月にスペインに入国したことを当局が突き止め、捜査を続けていたようだ。

シェイフは、バルセロナで観光客を対象とした窃盗(el robo a ruristas)グループから他の4人を勧誘(captar)していた。容疑は、5人でライフル銃(fusil)のカラシニコフ(kalashnikov)を購入するための準備を進めていたというものだ。

リーダー格のシェイフの自宅からは、3本のナタ(machete)や数十発の弾薬(cartuchos)が押収されている。

9/22の記事でも紹介したが、ムルシア州では、過激派思想に一方的に傾倒した、いわゆる「ローンウルフ(lobo solitario)」が自動車テロを行い、犯人と一般人が命を落とした。

スペインは移民を受け入れる寛容性がある一方で、彼らがふつうに生活できる基盤を与えられない脆弱性をあわせ持つ。そして、移民たちに対する差別意識もある。

結果、行きづらく、行き場を失った移民たちが色々な犯罪に手を染め、スペインが疲弊する。

写真はマドリードで警察官によって連行される容疑者。