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5/16 ニュースなスペイン語 Felipe VI y su padre:フェリペ6世と父親

フェリペ6世の父であり、現在、アラブ首長国連邦のアブダビに滞在中のフアン・カルロス1世(Juan Carlos I)の周りが少しざわついてきた。

15日、アラブ首長国連邦のハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン(Jalifa bin Zayed Al Nahyan)元大統領(以下の写真)が亡くなったことを受け、フェリペ6世が同国を弔問に訪れた際、フアン・カルロス1世と電話で会談し(conversación telefónica)、元国王の帰国について言及があったという。

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13日の記事でも紹介したように、フアン・カルロス1世の在位中のスキャンダルに関する捜査が嫌疑不十分のまま打ち切られ(archivado)、元国王は法的にはまっさらな状態になった。

こうした諸々の事情が予見されていたかは不明だが、国王の帰国のタイミングとしてはまたとないチャンスとなる。

弔問の際、葬儀という性質のため(dadas las características de la ceremonia fúnebre)、フェリペ6世はフアン・カルロス1世とは直接面談はせず、電話での会談にとどめたという。余計なゴタゴタを起こして、喪中の相手国に迷惑をかけたくないという配慮だろう。

具体的な帰国の日程が話し合われたかは定かではないが、帰国の暁には(cuando regrese)、マドリードで会うことで合意した(han acordado verse en Madrid)という。

国王の帰国の是非を巡り、議論が再燃しそうだ。

これまでの各党の意見は、概ね、こんな具合:

スペイン社会労働党(PSOE)は帰国は王室案件とし、党としては口出ししないスタンス。一方、ポデモス党(Podemos)は帰国に猛烈反対。他方、国民党(PP)は帰国に理解を示し、極右政党のボックス党(Vox)は帰国に大賛成。

80の齢を超えても、なお、自分の国に自由に帰って来られないフアン・カルロス1世は、正直、気の毒だ。そして、国王ゆえ、そして、国民の手本(ejemplo)にならねばならぬゆえ、自分の父親に自由に会うことが許されないフェリペ6世はもっと可哀想だ。

写真は本文とは関係なし。フェリペ6世(左)とフアン・カルロス1世。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220515/felipe-vi-viaja-abu-dabi-muerte-del-emir-jalifa-bin-zayed-sin-este-previsto-encuentro-rey-juan-carlos/2348815.shtml