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3/9 ニュースなスペイン語 Segunda ola:第2波

スペインは今、季節性インフルエンザ(gripe estacional)の第2波に見舞われているという。

秋にインフルエンザA型の第1波(gripe A que tuvo lugar en otoño)が去ったばかりだが、春が目前に迫る中(a las puertas de la primavera)、通常はこの時期、感染が減るにもかかわらず(los contagios habitualmente descienden)、B型による感染が、特に、0歳~14歳の若年層に流行しているという。

若い人たちに流行るのが特徴のひとつ。

もうひとつの特徴が、重大化するリスクがない(los casos no se están caracterizando por ser especialmente graves)というもの。10万人あたり入院する人の割合はわずか2.9人という(ただし、80歳以上の高齢者の入院率は10万人中18.1人)。

幸い、先月の中旬に10万人あたりの感染者が270人でピーク(pico de incidencia)を迎え、現在は258人となり、落ち着きの兆候(signos de estabilización)が現れ始めている。

専門家によると、同じシーズン(una misma temporada)に、今回のように、2回ピークがあるのは珍しいことだという。

インフルエンザの季節外れの流行の原因はまだ明らかになっていない(Las causas de este comportamiento irregular siguen sin estar claras)ものの、専門家たちの間には、主にふたつの説があるようだ。

ひとつは、「コロナウィルスが人々の免疫システムに何らかの影響を与えた(el COVID afecta al sistema inmunitario) 」という説。

特にコロナ感染後に症状が長引くロングコロナ(COVID persistente)では、呼吸器系の疾患(enfermedades respiratorias)が出やすい。

こんな具合に呼吸器が弱っている中、インフルエンザウィルスに対する抵抗力も低下している、という考え方。

ある専門家は、ロングコロナによって、呼吸器に何らかの影響が残る状態を、免疫システムにとっての「正真正銘の原子爆弾(una verdadera bomba atómica)」と例える。

季節外れの流行の原因についてのもうひとつの仮説が「免疫負債(deuda inmunitaria)」という考え方。

これは、コロナにかかりきりの約3年間、インフルエンザウィルスから遠ざかることで、十分な免疫(suficiente memoria inmunológica de esos virus)を獲得できなくなってしまう状態。

どちらの説でも、コロナに直接・間接的な原因を求めている。

そんなコロナの現状に関して、勝利の歌声をあげるのは、まだ、時期尚早(todavía es demasiado pronto para cantar victoria)と警鐘を鳴らしている専門家もいる。

スペインは、他のヨーロッパ諸国同様、コロナの全件把握をやめ、マスク着用義務も解除している。

そして、ある専門家は、厚生部門の省庁(autoridades sanitarias)がコロナのことを口にしなくなったのは「コロナを葬りたい症候群(síndrome de querer enterrar la pandemia)」が背景にあると分析する。

一足先に脱コロナを実施したスペインから参考にできることは多い。

写真はイメージ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230307/espana-afronta-segunda-ola-gripe-casi-consecutiva/2430259.shtml