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5/25 ニュースなスペイン語 Primer bebé:最初の赤ちゃん
小欄では毎年1月2日、「最初の赤ちゃん」とタイトルを付けて、年が明けて数分以内に生まれた、文字通り、年の最初に生まれた赤ちゃんたちを紹介する。
これはスペイン国営放送(RTVE)の恒例企画。
今回紹介するヘスス君(Jesús))はそうした赤ちゃんたちとは違う意味で「最初の赤ちゃん」だ。
ヘスス君の母親であるタマラ・フランコ(Tamara Franco)は、ロキタンスキー症候群(síndrome de Rokitansky)という症状のため、先天的に子宮(útero)を持っていなかったが、しかし、卵巣(ovario)などの器官は機能していたという。
この症候群は女性5000人にひとり(un caso por cada 5000 mujeres)の割合で発症。
バルセロナ病院(Hospital Clínic de Barcelona)は、2015年、ロキタンスキー症候群患者の生殖医療のため、倫理委員会からの承認(permisos de comités de ética)を取得。
5人分の臨床プログラム(un programa experimental)の許可が下り、ここに、将来、ヘスス君の母親になるタマラが選ばれたのだった。
2020年10月には、実の妹(もしくは姉)から子宮の提供を受け、20時間にわたる移植手術(cirugía)を受けた。
手術から2か月後、タマラに生理が訪れた(a la paciente le vino la regla)という。これは移植された子宮が正常に動いていることの最初のサインだった(una primera señal de que el procedimiento había funcionado)。
何度かの流産(aborto)を経た後、去年の9月についに待望の妊娠(embarazo)に漕ぎ着ける。
しかし、今度は、タマラは妊娠高血圧腎症(preeclampsia)という症状に悩まされる。
この血圧上昇(aumento de la presión arterial)は、移植した子宮の拒否反応を防ぐための措置(evitar el rechazo)に原因があるらしい。
医師団(equipo médico)は高血圧症をどうにか抑えつつ、妊娠期間7ヶ月を無事迎えることができた。
そして、昨年の3月10日、帝王切開(cesárea)によって、ヘスス君は晴れてこの世に生を受けたのである。
かくして、ヘスス君は、スペインで子宮を移植された女性から生まれた最初の赤ちゃんとなった(primer bebé nacido en España de una mujer trasplantada de útero)。
ヘスス君は生まれた当時、体重が1キロ弱の未熟児(prematuro)だったが、新生児集中治療室(UCI neonatal)で処置を受け、3.2キロにまで体重を増やした。
その頃になると、肺も十分に発達し(sus pulmones han madurado)、自己呼吸ができるようになり、今週、無事、退院許可が降りた(ha sido dado de alta)。
ムルシア州の自宅で、ヘスス君と両親との水入らずの新しい生活が始まる。
母も子も大変な苦労の末、お互いの顔を見られたのだから、末永く幸せであって欲しい(それにしても、父親の存在感がないなぁ)。
写真はヘスス君と両親。ちなみに父親もヘススという名前らしい(日本では考えられないが、スペイン語圏では普通のこと)。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230522/nace-primer-bebe-mujer-trasplantada-utero-espana/2447052.shtml