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7/15 ニュースなスペイン語 Amianto:アスベスト

スペイン語には「asbesto」という語もあるが、amiantoの方をよく見る。

「fibrocemento」という単語も見たことがあるが、こちらは、fibroが「繊維」、cementoは「セメント」なので、まさしく「石綿」のニュアンス。

アスベスト被害に苦しむ人々の補償(compensar;indemnizar)のための基金(fondo)を設立する法律が下院(Diputado)で先日、全会一致(por unanimidad)で可決した。後は、上院(Senado)での審議に移り、官報(BOE)で公告される。

基金の正式名称は「アスベスト被災者救済基金(El Fondo para la Indemnización de las Víctimas del Amianto)」。2500万ユーロ(約34億 8000万円)を一般予算(Presupuestos Generales)に計上する予定。

アスベストは、スペインでは1960年代から使用されてきた。素材として、安価(barato)で効果的(eficaz)ということもあり、当時は「建築材の花形(material estrella de la construcción)」と重宝がられた。

しかし、その「害的性質(carácter dañino)」ゆえに、2002年に完全に使用が禁止された(日本は2006年に全面使用禁止)。しかし、まだ、国内に残っていたり(2018年時点で2.4トン)、処分に困った企業が違法投棄(vertido ilegal)で5トンにも及ぶアスベストを遺棄したことも、近頃、判明した。

また、何の救済措置もなければ、2050年までに最大で13万人がアスベストによって引き起こされる様々な疾病で亡くなるとの試算がある。

アスベストは現在進行中の、まだ、生々しい爪痕を残す公害だ。

写真は「アスベスト被害者の会(Asociación de ctimas de Amianto)」の抗議の様子。同会は頭文字をとってAVIDAと略される。これは、A vida「生きるために」と同義になる。手には「アスベスト被害者たちに補償と正義を!もう、救済基金を(早くと作れ)!」とある。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220713/congreso-aprueba-fondo-victimas-amianto/2388460.shtml など