3/22 ニュースなスペイン語 Financiación propia：独自の税制措置
カタルーニャ州知事（presidente de la Generalitat）ペラ・アラゴネス（Pere Aragonès）は20日朝、同州で発生するすべての税金を同州が徴収し、これを管理する（Cataluña recaude y gestiones todos los tributos que genere）との提案を行うと発表した。
カタルーニャ州がこの度、打ち出した独自の税徴収システムは、まだ、全容が明らかになったわけではないが、バスク州やナバラ州に既存するものと似ている（similar）と報じられている。
前例があり、国内初ではないから、心配ご無用！という訳ではなさそう。
恩赦法（ley de amnistía）が先日、下院（Congreso de los diputados）を通過したばかりのタイミングで、この独自の税制措置表明は、何か、不穏なものを感じる。
実際、アラゴネスは
独立を問う住民投票では独立の可否について投票がおこなわれるだろう。私は結果が受け入れられる条件について交渉する用意がある。また、住民投票の日程や実施方法、そして、もし、独立が承認されることがあれば大きな変化を生み出すであろう選挙結果についても論じる用意はできている（En un referéndum sobre la independencia se vota sobre la independencia. Estoy dispuesto a pactar las condiciones bajo las cuales consideraríamos asumible el resultado. Estoy dispuesto a hablar de la fecha, de cómo gestionar los resultados, que si fueran por la independencia generarían grandes cambios）
と述べ、案の定、カタルーニャ独立問題にも言及した。
さらに、
ペドロ・サンチェス首相はこの税システムについて交渉することを約束した。自身の首相就任の際の合意事項を守らなければならない（El presidente se comprometió en su investidura a abordar esta negociación, tendrá que cumplir los acuerdos de investidura. Si se van cumpliendo los acuerdos, podrá haber nuevos acuerdos）
とも語り、中央政府（Gobierno central）にゆさぶりをかけた（それにしても、サンチェスは、ずいぶん、大胆な合意を取り付けていたんだなぁ）。
州政府トップ２である副知事（vicepresidenta）のラウラ・ビラグラ（Laura Vilagrà）も「サンチェス政権が交渉の場に応じないなら、我々共和主義左翼からの支持はもう期待してはならない（Si no se cumple, que no esperen cheques en blanco de ERC）」と政府にくぎを刺した。
現在のところ、中央政府は「あらゆる交渉に応じ、カタルーニャ州が提案する新たな税制システムを策定する用意がある（Estamos abiertos y dispuestos a plantear ese nuevo modelo de financiación）」と述べているが、「ただし、他のすべての自治州（con todas las comunidades autónomas）」と交渉を続けるとした。
しかし、ビラグラは「全員に出すコーヒー（café para todos）」なら要らないと述べており、あくまでも、カタルーニャだけとの交渉を求め、
我々はスペイン社会労働党がどのように動くかよく知っている。最初はいつもできないといっているが、結局、最後にはすべてが可能になる（Sabemos cómo trabaja el PSOE, primero siempre dice que no y finalmente todo es posible）
と述べ、今後の交渉に自信をのぞかせた。
それにしても、手練れ感が凄いなぁ。
税収を独自に徴収するシステムは、カタルーニャ独立のための布石となるのか。
写真はアラゴネス。
今回の税制措置は「カタルーニャと中央政府との衝突を解消するための転機となるはすだ（Debe ser un hito para resolver el conflicto catalán）と、その意義を強調した。