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3/26 ニュースなスペイン語 Japón Primero:日本第一党

スペイン国営放送(RTVE)のニュースに日本事が載ることはあまりない。

直近では鳥山明が急逝した際、『ドラゴンボール』を中心とした鳥山の業績を紹介した追悼記事が出た(3月11日の小欄)。

そんな国営メディアに、「日本第一党」なる政治団体が取り上げられていた。

記事では「超国家主義(ultranacionalista)」と紹介されていることからも想像つくが、まぁ、上の写真に挙げたような人たちの集まりだ。

小生は先日、移民問題についての記事を読んでいて、偶然、この団体のことを知ったのだが、あまり、メジャーな団体ではないと思うので、概要を紹介をしておこう。

この党は日本政府が推し進める移民政策に一貫して異を唱えていて、特に、埼玉県川口市におけるクルド移民(migrantes kurdos)に対しては、容赦ない街宣活動を行っている。

彼らの活動の動画が、ネット上にたくさん出回っているので、関心がある方は「クルド、日本第一党、デモ」で検索されたい。

動画のひとつには、日章旗を掲げ、街宣車の上から、党員が、自民党が進める移民政策(política de inmigración)に断固反対と、声を枯らして叫んでいる光景が収められている。

右翼の典型的な街宣スタイル(さすがに、昔のように軍服を来ている人はいなかったが・・・)。

また、警察隊がデモ隊の周りを物々しく囲み(escoltando)、進路を制御している動画もある。

そんな日本第一党が2023年10月22日に川口市で「反移民政策デモ(manifestación antiinmigración)」なる活動を行ったのだが……。

この時の模様が、あろうことか、何千人もの日本人(miles de japoneses)が、小学生女児らに対するイスラム教徒たちによるわいせつ行為(los últimos casos de musulmanes acosando a niñas en edad escolar)に抗議している動画として、流布しているらしいのだ。

3月17日から拡散し始めて、ネット上では、すでに、約4200回以上、シェア(compartir)されているという。

そもそも「小学生女児らに対するイスラム教徒たちによるわいせつ行為」自体がでっちあげ。

動画を見る限り、10月22日のデモ行進は、女性のアナウンスが入ったり、一般の人が参加するなど、比較的ソフトな雰囲気の元、行われていたようだ。

参加者は100名近くで、You Tubeにアップされた動画は1時間ほどで終わっている。

国営放送のネット記事検証コーナーでは、ネットに拡散しているデモは実在したが、そこで主張されているわいせつ事件は「ウソ(falso)」と認定された。

移民が何か悪さをしているかのような動画、または、今回のように文脈から意図的に切り取って(descontextualizado)、別のねつ造と結びつけた動画は検証コーナーで度々取り上げられるが、いずれもフェイク(bulo)と認定される。

それにしても、日本の一部の人たちが移民に対してヘイト感情(odio)を持っていることが、こういう形で、スペイン語圏に知れ渡るのは、残念だ。

写真は日本第一党のデモの様子。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240321/falso-no-protesta-actual-japon-contra-acoso-musulmanes-a-ninas-escolares/16025965.shtml