4/17 ニュースなスペイン語 Tercera Guerra Mundial:第三次世界大戦
物騒なタイトルだが、ガセ(bulo)なので、平静に。
小欄でも度々取り上げるスペイン国営放送(RTVE)が運営する、ネット上の気になる噂の真偽を検証するサイトが出した結論だから、まぁ、信頼できるだろう。
ただ、このキーワードとロシアのウラジーミル・プーチン大統領(Vladimir Putin(写真))が組みあわさると、とたんに真実味を帯びるのが怖いところ。
プーチンがあたかも第三次世界大戦に言及し、ふたつの陣営(dos bandos)の間で戦いが行われるだろうとした動画がある(余計な閲覧を防ぐため、あえてURLは公開しないけど・・・)。
ふたつの陣営とは、一方はロシア・中国・イラン・イエメン・北朝鮮による勢力、その相手がアメリカ・イスラエル・英国による勢力。
今の世界情勢を思うと、妙な説得力があるそれぞれの連合軍のラインナップということもあり、4月14日のイランによるイスラエル攻撃(ataque de Irán contra Israel el 14 de abril)以降、デマ動画は「X」などのSNSを中心に、1900回以上シェアされたという。
動画は1分ほどで、プーチンが演説をしている場面に、英語のナレーションがかぶり(voz en off en inglés)、あたかもその内容に即しているかのような英語の字幕が付く(unos subtítulos en el mismo idioma como si correspondieran a su declaración)。
動画の元ネタは去年の10月に、ロシア安全保障理事会(el Consejo de Seguridad de Rusia)でプーチンがガザの惨状について行った発言の1シーンとのことで、RTVEの調査チームによると、第三次世界大戦やふたつの陣営などというワードは一切出てこないらしい。
やれやれ、人騒がせな・・・と一安心したのも束の間、調査チームは、プーチンのこれまでの言説の中に「第三次世界大戦」という言葉がでてきていないかも調べ上げている(不安になるから、しなくても良いのに…)。
すると、今年の3月18日、北大西洋条約機構(OTAN;NATO)がウクライナ(Ucrania)に軍隊を送ればどんなことが起こるかについて、マスコミの取材に対して、次のように語ったとする記事を見つけたらしい:
私は今のこの世界ではすべてが可能だと思っている。しかし、すでに述べたように、そして、誰の目にも明らかなことだが、本格的な第三次世界大戦まであと一歩のところまで来ている状態だ。しかし、ほとんど誰もそんなことに関心は寄せていないと私は思っている(Creo que en el mundo moderno todo es posible, pero ya he dicho, y está claro para todos, que esto estará a un paso de una tercera guerra mundial en gran escala. Creo que casi nadie está interesado en esto)。
むむむ、この脅し(amenaza)をどのように読めばいいのか分からないが、やはり、第三次世界大戦などというワードを公の場で口にする首脳とは、やはり、距離を置きたい。
写真はプーチン。