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2/4 ニュースなスペイン語 Nueva etapa:新たな一歩

タイトルは「新たな段階」、「次のフェーズ」――。こんな訳でも良い。

モロッコ(Marrueco)とスペインがこの度、首脳級会談(cumbre)を開催した。

会談に出席したペドロ・サンチェス首相(Pedro Sánchez)のことばを借りれば、今回の会談は「比類なきサミット(cumbre excepcional)」ということになる。

スペイン側からは11人、モロッコ側からは13人の大臣が参加し、合意項目(acuerdos alcanzados)は20を数えた。両国のここ8年の外交関係ではなかった程の規模。

モロッコの国王モハメド6世(Mohamed VI)の姿はなく、電話での談話(conversación por teléfono)のみ。

スペイン外務省によれば、電話での談話は「予め決定されていた(se había pactado previamente)」とのこと。

また、「今回は2国間政府の会談なので、国王は参加しない。これまでも国王が参加したことはなかった(Es una reunión entre dos gobiernos, no participa ni ha participado nunca el rey de Marruecos)」という。

モロッコ側の対応は、まぁ、スペインの王族も参加していないことからも分かるが、他意はないのだろう。

詳細は去年の3月21日や22日の記事に送るが、モロッコとスペイン、そして、両国にアルジェリアとサハラの加わった四つ巴の関係はややこしい。問題を複雑化したのは、「歴史的転換(giro histórico)」とも言われる政策を去年敢行したスペインだ。

さて、

我々は、特に両国の主権に関わる分野において、一方が他方を傷つけるような全てのことを回避する所存だ(Vamos a evitar todo aquello que sabemos que ofende a la otra parte, especialmente en lo que afecta a nuestras respectivas esferas de soberanía)

これがサンチェスの決意表明。

20を超える合意内容で目を引くのが、スペインが示した新たな財政計画(nuevo protocolo financiero)である。その投資額(valor)8億ユーロ(約1130億円)というから、とてつもない規模だ。

スペインとしては、モロッコにおける「規範となる投資国(inversor de referencia)」となるべく、かなり、頑張った。

また、モロッコと国境を接しているスペインの飛地領(enclave)であるセウタ(Ceuta) とメリージヤ(Melilla)の税関(aduana)の開始を今後、「順次、進めてゆくde manera ordenada y progresiva」ことでスペイン・モロッコ両国は合意した。

他にも

◆ 合法的な移民(migración regular)の推進し、違法移民(irregular)の撲滅(lucha)に向けて連携する
◆ モロッコにバイリンガル部門を開設する(la apertura de secciones bilingües en español en Marruecos)
◆  両国間の学生の交流を促進してゆく(promover la movilidad de estudiantes en ambos países)

などなど、両国の交流は多岐に渡り、「新たな一歩」に相応しい未来が開けてきそうだ。

写真はスペイン首相のペドロ・サンチェス首相(左)とモロッコ首相アジズ・アハヌッシュ(Aziz Ajanuch)。

ところで、国民党(PP)は今回の会談について、「国際フェザー級並み(medida de su peso pluma internacional)」と批判している。

実は、日ごろ、歩調の合わず、しかも、歴史的転換に否定的なポデモス党(Podemos)は、連立パートナーでありながら、今回は置いてきぼり(plantón)。

一国を代表するに足らない軽~い政府ということか。

「これ以上、滑稽にすることは難しい(Es difícil hacer más ridículo)」と痛烈に皮肉った。

新たな一歩にミソが付いた・・・。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230202/sanchez-cumbre-rabat-espana-marruecos/2420329.shtml