見出し画像

5/4 ニュースなスペイン語 No binario:ノンバイナリー

いやはや、休日の朝から品のない写真で申し訳ありません。

写真の人物はドイツ人のアンドレア・スペック(Andrea Speck)、ノンバイナリーである。

ノンバイナリーとは自らの性別を示さない立場のこと。

実は、上の写真は、もう少し引いてみると、次のようなメッセージが写っている。

「クXxXレ!バイナリー、私はコンピュータなんかじゃない」

コンピュータは二進法、つまり、0か1かの二択の世界。

そして、男か女かの二択しかない、バイナリーな現状を、まぁ、手段はともかく、上のように表現したのである。

このスペックの、外国人登録(registro de extranjería)の際の性自認について、アンダルシア州高等裁判所(El Tribunal Superior de Justicia de Andalucía )が、ある司法判断(decisión judicial)を示した。

性を不定とする(género indeterminado)――。

これは、スペックによると、ヨーロッパでは先駆的(pionera en Europa)とのこと(祖国ドイツではすでに、性別は不定と認知(reconocida)されている)だそうだ。

つまり、スペックの主張するノンバイナリーが法的に認められたということになる。

ただ、この判決が出るまで4年間かかったというから、決して道のりは平坦ではなかった。途中、エネルギー(energía)と忍耐力(paciencia)がなくなり、諦めよう(abandonar)としたこともあったという。

しかも、今回の判決は完全勝利(un triunfo definitivo)というわけではないという。

スペックの性別について、アンダルシア州政府(Junta de Andalucía)は「特定しない性(género no específico)」、社会保障制度(Seguridad Social)は「女性(mujer)」としており、スペックの主張が完全に認められているわけではないので、まだ、戦いは続く(sigue batallando)。

スペックは、2014年にスペインではトランスジェンダー法(ley trans)が可決したが、同法はノンバイナリーの人々を排除してきた(haya excluido a las personas de su condición)と批判した。

スペックは、ノンバイナリーの人たちの置かれている情報についての情報がなく(una falta de información)、社会の変化は極めて遅い(el cambio social está siendo "muy lento")と指摘する。

スペックは次のように話す。

皆が他の選択肢があること、そして、すべての人が男とか女というわけではない、ということを認めなければなりません(Todos tienen que aceptar que hay otras opciones, que no todos somos hombres o mujeres)。

日本はこうした性自認の議論について、ヨーロッパなどと比べると、何周も遅れを取っているが、いずれ、社会問題となるだろうから、スペインの事例を見て、予習しておくのも悪くない。

写真はアンドレア・スペック。

上の写真だけだと、あまりにも、印象が悪いので、和やかな表情のスペックの写真も上げておこう。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230503/justicia-andaluza-reconoce-ciudadano-aleman-genero-indeterminado/2443373.shtml