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11/23 ニュースなスペイン語 Fiscalía:検察庁

17日~19日にかけて紹介してきた「性的自由を保証する基本法(Ley Orgánica de garantía de la libertad sexual(以下、「基本法」))」をめぐる混乱に、また、新しい動きが加わった。

検察庁長官アルバロ・ガルシア(Álvaro García)が先日、基本法の扱いに関する意見書(decreto)をまとめ、「個々の判決を精査し、各件の具体的な状況の正しい評価を妨げる自動化を避ける(cada procedimiento deberá ser analizado individualmente, huyendo de automatismos que impidan valorar las concretas circunstancias concurrentes en cada caso)」とし、基本法の適用はケース・バイ・ケースにすべしとの見解を表明した。

過去の判決に遡って基本法を適用する「遡及性(retroactividad)」については、この原則に沿った見直し(debe guiarse por el principio)を行うとした。

そして、被告に有利な条項を適用することを原則とするものの、どの法律を採用するかは、基本法の精神を侵害することがないように、「総合的な判断(de manera global)」に拠るとの見解を示した。

つまり、検察庁が基本法を自動的に過去の判決に適用し、減刑を量産する裁判所の現状をいさめた格好だ。

このように検察のお墨付きを得て、勢いづいたのはイレネ・モンテロ(Irene Montero)をはじめとするポデモス党(Podemos)の面々だ。

渦中の平等大臣(ministra de Igualdad)モンテロは「基本法は確固たる法律で、女性たちの権利を守る(La Ley Solo sí es sí es sólida y sirve para proteger los derechos de las mujeres)」とツイートし、検察の見解を歓迎した。

また、ポデモス党報道官(portavoz)のパブロ・エチェニケ(Pablo Echenique)も以下のようにツイートした:

さてと、ここ1週間、モンテロ大臣狩りに躍起になってきた方々は、どの石の下に隠れていることやら(A ver debajo de qué piedra se esconden ahora los que llevan una semana de cacería contra Irene Montero)。

かくして、国民党(PP)などから辞任要求を突き付けられたモンテロは首の皮一枚で繋がった。

・今後、基本法の改正はあるのか?
・裁判所の減刑ラッシュはどのくらい抑えられるのか?
・モンテロはここ数日間の混乱の責任をどのような形で果たすか?

いろいろ疑問は尽きないが、まだ、しばらくは続きそうな論争を注視しておこう。

写真は検察庁長官アルバロ・ガルシア(奥)と平等大臣イレネ・モンテロ。

写真は一瞬の表情を冷酷に切り取る。

そして、なんだろう、この一枚に、ことばにできない何かを感じる。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20221121/fiscalia-rechaza-rebajar-penas-cuando-impuesta-quepa-nuevo-marco-ley-del-solo-si-si/2409679.shtml