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6/15 ニュースなスペイン語 Banderas negras:黒旗

黒旗キャンペーン(campaña de banderas negras)は1999年から始まった運動で、環境保護団体「動くエコロジスト(Ecologistas en acción)」によるスペインの海洋汚染に対する警鐘ムーブメントだ。

同キャンペーンによると、2022年は以下に見るように、スペイン国内の48ヶ所の海岸で黒旗が立ってしまった。

黒旗ビーチは昨年度も同数の48ヶ所だったが、調査団体によれば、「残念ながら、実際はもっとたくさんありそう(desgracia podrían ser muchas más)」とのこと。

海水の管理不行き届き(mala gestión de las aguas)、無計画な汚水の排出(vertido descontrolado)、過度の都市化(urbanización excesiva)――。ビーチが汚れる原因は様々だ。

この原因に今年新たに加わったのが、「日焼け止めクリーム汚染(contaminación por cremas solares )」だ。

日焼け止めクリームには、いわゆる内分泌攪乱物質(disruptores endocrinos)か含まれていて、人体(humanos)だけじゃなく、軟体動物(moluscos)や海藻類(algas)などにも影響を与えるという。

日焼け止めクリーム汚染は、この度、アンダルシア州のマラガ県にある海岸で確認されたが、だんだん、増えてきている(cada vez más frecuente)らしい。

一方、バレンシア州では、今年の夏、海岸付近で大規模音楽祭(macrofiesta)が開催されるらしく、これによって、汚染が進むだろうと、警告を出している。

ところで、この時期、青旗キャンペーン(campaña de banderas azules)というのもやっていて、こちらは、1987年から続く老舗の運動だ。ADEACという民間企業が優良な海岸を表彰するもので、今年は621箇所で青旗が立った(写真)。

正直な話、青旗の方にばかり気を取らていて、黒旗の存在は、今年、初めて知った。

近年、青旗キャンペーンに対しては、「環境の質を保障するものなのか、それとも、単なる観光促進のためのマーケティング戦略なのか(¿Garantía de calidad ambiental o "marketing" para el turismo?」という疑問の声も上がっていたのも確かである。

こうした青旗キャンペーンへのアンチテーゼとして 誕生(nació como contraposición)したのが黒旗だ。

カディスにあるバロサ海岸(playa de La Barrosa)は、過去に、青旗と黒旗のふたつを受賞した。

青旗は去年より6ヶ所増え、621ヶ所になったらしい。これを青のまま保つのも、黒に汚すのも、ニンゲンだ。来年のこの時期、黒が増えていないことを願う。

写真は海岸に立てられた黒旗。なかなか、不気味で、インパクトがある。やはり、こんな旗が立てられた海岸は異様だし、見たくない。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220614/vertidos-contaminacion-banderas-negras-playas-ecologistas/2383984.shtml