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8/23 ニュースなスペイン語 Que griten España:「スペイン」と叫ぶこと

「「エスパーニャ(スペイン)」と叫んで欲しい」―。

これは、マドリードのトレホン基地(Torrejón)を表敬訪問した防衛大臣(Ministra de Defensa)マルガリータ・ロブレス(Margarita Robles)が会見の中で語ったことばだ。

実は、冒頭の言は、アフガニスタン人に対して言ったことばなのだ。

もう少し、背景の説明が必要だろう。

スペインは、スペイン軍やアメリカ軍に協力したアフガン人の受け入れを表明している。スペイン空軍のエアバスA400を使って、彼らの退避の援助を行う。

しかし、そのためには、彼らアフガン人たちは、「自腹で、しかも、危険を覚悟で、空港まで来なければならない( deben llegar por su cuenta y riesgo al aeropuerto)」のだ。こちらは、会見に同席(comparecer)した統合幕僚長(almirante general)テオドロ・エステバン・ロペス・カルデロン(Teodoro Esteban López Calderón)のことば。

なぜなら、スペイン軍は「保安上の問題から空港から出ること(salir del aeropuerto por cuestiones de seguridad)」が出来ないからだ。

そして、自力で空港に辿り着いたアフガンニスタンの人々は、あの(テレビなどで見る)群衆の中から、どうやって自分たちのことを見つけてもらうのか。

その方法が冒頭に述べた方法だ。とにかく「エスパーニャ(スペイン)」と叫べ、というのだ。他にも、「スペインの国旗(la bandera)」 や「 何か赤いもの(algo rojo)」を身に付けてきて欲しい、とも語った。

スペイン軍は、実は、アフガニスタンで、104名の兵士を亡くしている。ロブレスはそんな殉職者に対して、「最大限の敬意(mayor homenaje)」を示した。

スペインは、日本とは比べものにならないほど、アフガン情勢に振り回されてきた。だから、そんな軍を陰ながら、そして危険を顧みず応援してきたアフガニスタンの人々に、惜しまず、手を差し伸べるのだ。

写真はロペス・カルデロン幕僚長(左)とロブレス防衛大臣。