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10/31 ニュースなスペイン語 Comer sin gluten:グルテンを食べない

今日の記事にこんな事が書いてあった。

グルテンとラクトース(≒乳製品)を不健康な食品と見なすことは、主に中年女性の間で広まっている間違った考え(Considerar el gluten y la lactosa como insanos es una falsa creencia que circula mayormente entre las mujeres y la población de mediana edad)

この度、スペインの専門機関がまとめた報告書によると、スペイン国民の約25%がチーズや牛乳などのラクトースを含む食品を食べず、また、31%がグルテンを含む食品を食べない。そして、スペイン人の8%が完全グルテンフリー(completamente libre de gluten)食しか食べないという。

こうした食事をしている人の内の、約60〜70%が、医学的な根拠なし(sin motivo médico)に実践しているという。

「自分で考えた(reflexión personal)」というのが、グルテンフリー・ラクトフリーの食事を決めた主な理由(motivo principal)のようだが、こうした傾向を、ある専門家は「無駄な努力(esfuerzos innecesarios)」と表現する。その上で、

グルテンやラクトを食卓から排除しても我々は健康を手に入れることはできませんし、それどころか、いろいろな影響を及ぼしかねないのです(quitarlos del plato no nos hará ganar salud, y además, puede traernos consecuencias)

と警鐘を鳴らす。

ところで、グルテンや乳製品を取らない食餌法を「パレオダイエット(dieta paleo)」という。

「パレオ」とはギリシア語で「古い・古さ」を表す語。

つまり、パレオダイエットとは、太古の昔、狩猟(la caza) と落ちているものを拾い集めること(la recolección)によってのみ入手できたものだけを食べていた生活に戻り、あの頃のような健康体を目指そうという考えに基づいている。

だから、こうしたダイエット法では、小麦由来のグルテンや乳製品由来のラクトースを悪魔化して(demonizar)遠ざけるわけだが、乳製品を取らないことで、骨の健康(salud ósea)にも影響が出て、骨粗しょう症(osteoporosis)などの疾病も予防できなくなってしまうという。

また、グルテンを避けるあまり穀物全般(grano entero)を取らないと、食物繊維(fibra)が取れなくなるので、今度は、心臓や血管の健康(salud cardiovascular)にも影響が出る。

とは言え・・・

専門家たちは、グルテンやラクトースを「健康に害を与えるものではないが、しかし、生きる上でどうしても必要なものでもない(No son insanos, pero tampoco imprescindibles)」としている。

だから、栄養教育(educación nutricional)が必要なのだ、というところに、結局は、落ち着くのだが・・・。

グルテンやラクトースの栄養学的な位置づけがなかなか微妙な点も、人々がおかしな健康法を編み出すきっかけにもなっていそうだ。

写真はグルテンを含む食品のイメージ。

ちなみに、グルテンフリーの画像を検索していたら、次のようなポスターが引っかかった。

画像1

右側にグルテンを含む食材(con gluten)、左側にこれを含まない食材(sin gluten)が書いてある。2017年ごろ、マドリードの教育機関に配られたポスター。

ポスターを作製したのは「セリアック病患者とグルテン過敏症患者の会」。セリアック病とはグルテンによって小腸が正常に動かない疾患のこと。

スペインは5月27日を「全国セリアック病(Enfermedad Celiaca)の日」と定めていて、この日に合わせて、マドリード市内の300を超える学校で、グルテンを含む食品を食堂で出さないという運動に参加したという。

グルテンを取らないで、こうした病と闘う人に想いを馳せようという趣旨。

これは、本文で紹介したこととは、ちょっと違う動き。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20221029/dieta-sin-gluten-lactosa-riesgos-moda/2406706.shtml など