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7/28 ニュースなスペイン語 Incendio de Gran Canaria:グラン・カナリア島の山火事

表題の「incendio」は火災全般を指す語だが、最近のメディアは「山火事・森林火災(incendio forestal)」の意味で使用する。

ギリシアやイタリアで大規模な森林火災が発生しているというニュースは、日本のニュースでも報じられている。

対して、スペインのグラン・カナリア島の山火事の報道はあまり無いんじゃないかしらん。

しかも、島内の400ヘクタール近くを焼き尽くし、250人ほどの避難者を出したこの森林火災が、実は、人為的なミスによるものだった可能性があるということは、ほとんど、報じられていないかも。

現在は火災の65%が鎮火(liquidado;「一掃された」「清算された」が原義)、35%がほぼ鎮火(estabilizado;「安定化される」が原義)ということでヤマは越えたらしい。とは言え、まだ、5%ほどが消火されていない(llama activa)みたいだから、油断は禁物。

現在、治安警察(Guardia Civil)は、今回の森林火災に関与した恐れがあるとして(como presunto autor del incendio forestal)、29歳の男性を取り調べている(investiga a un hombre de 29 años)という。

この男性は出火当時、同僚3人と共に、現場(zona)で作業していた(se encontraba trabajando)。

森林の整備などを請け負う民間企業の従業員(operario)で、草刈り機(desbrozadoras)を使用していたという。

そして、現場にいた作業員全員が、火災の原因はこの草刈り機から出た火花だった(la causante del incendio ha sido una chispa desprendida de esta maquinaria)と証言したという。

火の手はまたたく間に燃え広がり、作業員らは火を消すために、2つの消火器や手に届くものを用い、できることは全てやった(hicieron "todo lo posible" para tratar de sofocar las llamas con dos extintores y los medios a su alcance)が、結局、消火には至らず、112番通報した(dieron aviso al 112 al fracasar las labores de extinción)らしい。

取り調べを受けた男性は調書を取られた後(prestó declaraciones)、現在は釈放されている(fue puesto en libertad)が、後日、調書は裁判所に提出されることが告げられた(instruyéndose)という。

火曜日の夜から水曜日の午前中にかけて、ヘリコプター8機と空中消火機1機が出動し、消火活動にあたった(ejercen labores en la zona)。

なお、今回のグラン・カナリア島の山火事は、結局、人為的な過失ということになるが、イタリアの山火事は以下に見るように、意図的に放火した者(pirómano)がいたようだ。

巡視ドローンが放火の瞬間を現行犯で(in fraganti)で捉えた(pilla)らしい。

写真はグラン・カナリア島の山火事。

カナリアと聞くと、日本語では、次のような鳥を思い起こすことが多い。

この鳥は、スペイン語では「カナリア諸島の鳥(pájaro canario)」とか単に「カナリオ(canario)」と言う。

で、ややこしいことに、この「canario」は「犬の」という形容詞。

大プリニウス(Plinio el Viejo)という古代ローマの博物学者がかつてこの地を訪れた際、大量の野犬(perros salvajes(「アザラシ」という説もあり))がいたと書物に書いたことに由来しているらしい。

そんな訳で、グラン・カナリア島を含む島々から構成されているカナリア諸島州の旗(banderas)や紋章(escudo)には2匹の犬が描かれている(というのは、テッパンネタ)。

と和やかなシメになったが、くれぐれも出火にはお気をつけ下さい。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230726/investigan-hombre-presunto-autor-incendio-gran-canaria/2452851.shtml