見出し画像

3/31 ニュースなスペイン語 Desabastemiento:品切れ

ウクライナ情勢悪化によって起こりうる品切れ状態を回避するために、スペイン政府は、小売業者(minorista)に対して、購入する個数などを制限すること(limitar la venta)を認める。

背景をまとめておこう。

実は、スペインでは、1996年に制定された小売業法によって、特定の品物の購入個数(cantidad de artículos)を店側が制限することを禁じている。

しかし、この法律を破る形で、各地で展開する、メルカドナ(Mercadona)をはじめとする、いくつかのチェーン店(cadena)が、ひまわり油(aceite de girasol(日本でいうところの「サラダ油」))の購入を制限するお知らせ(写真)を出していた。

すると、今度は、この購入制限を理由に、アンダルシア州に本部を置く消費者組合(FACUA)がこうしたチェーン店を今月初め、告訴した。

そこで、スペイン政府が法律を改正(modificación)し、小売業に対して、購入個数を制限することを可能にしたのである。もっとも、この制限は一時的(temporal)かつ特例的(extraordinario)な対処策である。 

制限を設けて「品切れを避け(impedir desabstamiento)」、全ての消費者に「均等な条件(condiciones equitativas)」で商品を供給することを保障する(garantizar)というのが、政府の狙いだ。

まぁ、分かる言い分だ。

しかし、FACUAの見立ては違う。

むしろ、こうした制限を設けることで、買占め(acaparamiento)を誘発し、品切れ状態をもたらす、というのである。そして、店舗によっては、不均衡な価格上昇(alza desproporcionado del precio)が見られるとも指摘し、結果的に、政府が投機家(especutador)に肩入れすることになる、と警告している。なお、この「投機家」は、日本語で言うところの「転売ヤー」を指しているのだろう。

なるほど、確かに、組織的な買占めがあれば、FACUAが懸念するような事態も起きるかも。

双方の言い分には、それなりの説得力がある。こうした制限が吉とでるか、凶とでるか…。

写真は売り切れが続出する棚に、ひまわり油の購入制限を通知するお知らせ(aviso)。「現在のウクライナの情勢により、全メーカーのひまわり油の販売を制限します。おひとり様、1日あたり、3本まで」とある。ん〜、制限する割には、結構買えるなあ…という印象(もちろん、個人経営の飲食店なんかは苦労するが…)。

出典
〈本文〉
https://www.rtve.es/noticias/20220330/supermercados-podran-limitar-compra-consumidores-evitar-desabastecimiento/2325560.shtml

〈写真〉
https://www.farodevigo.es/economia/2022/03/05/supermercados-limitan-venta-aceite-girasol-63464769.html