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1/4 ニュースな日本語 El Shabú:シャブ

不名誉なことだが、「シャブ」がスペイン国営放送(RTVE)の記事に出ていた。

シャブという日本語自体、どことなく昭和の匂いがして、今、実際に使われていることばなのかどうか分らないが、まぁ、薬物中毒を俗に「シャブ中」などと言わなくもないので、地味に生き残っているのかな。

さて、記事では、何故か、原語には無いアクセント記号が付いている。そして、男性名詞としての扱いだ。

コカインの15倍強力なドラッグ(una droga 15 veces más potente que la cocaína)――。こんな説明のあとに、「貧乏人のドラッグ(la droga de los pobres)」という別名でも知られている、とも書いてある。

ふむふむ、知らなかったなぁ。

どうやら、カタルーニャ州のバルセロナにあるラバル地区(Raval)などで、shabúを使ったことによる救急搬送事案(urgencias)が数件、報告されているという。

ギリギリの労働環境(trabajos precarios)の従業員たちが、「飲食店などでとてつもなく長いシフトに耐えるため(aguantar turnos larguísimos en hostelería)」に、shabúを使うという。使用者の多くはフィリピン国籍の労働者みたいだ。

メタンフェタミンの結晶体(cristal de metanfetamina)が成分となっているshabúは多幸感(euforia)、異常なほど活発になること(≒ナチュラルハイ;活発性過度(hiperactividad))、睡眠不足(falta de sueño)などの症状の他、記憶の「ほぼ半分が飛ぶ(perdiendo casi mitad de su memoria)」との記憶障害を訴える使用者もいる。

たとえ使用を辞めても、脳が長い時間をかけて傷つけられているようなもの(el cerebro quedara lesionado a largo plazo)と専門家は警鐘を鳴らす。

今回の記事はごくごく短いものだが、もしかしたら、今後、shabúにまつわる事件や事故が増えてこないとも限らない。年始からあまり愉快な話題ではないけど、抑えておきたい単語だ。

写真はshabú。

写真には「働くためのドラッグ(droga para trabajar)」と説明が付いている。

ちなみに、shabúは、少なくとも、2011年にはスペインのメディアで取り上げられている語のようだ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230103/shabu-droga-mas-potente-cocaina/2413557.shtml